飛行機の予約で気を付けたいこと
イギリスに犬と一緒に引っ越すには犬と人間が別の飛行機に乗ることになるため、飛行機の予約の際には注意が必要だ。
まず、私たちが使ったBritish Airwaysのカーゴ(くわしくはこちら)は毎日ロンドンまで運行していなかった。人間の飛行機と犬が輸送されるカーゴの運航日をしっかり確認しよう!
人間の便とペットのカーゴのヒースロー到着時間が同じくらいになるのが理想的。ペットが長時間(20時間くらい)ケージの中に閉じ込められていることを考えると、人間が先に到着して待っている方がいいと思う。少しでも早くケージから出してあげたいものだ。
ちなみにカーゴは代理店を通して予約。人間の飛行機は自分で予約する。
検疫
検疫にかかる時間
無事ヒースローに到着した場合、犬の検疫は4~5時間で終わる。2012年から制度が変わり、検疫時間はぐっと短縮された。これを機にペットと一緒に渡英する人たちが格段に増えたような気がする。
検疫が済むと、検疫所から連絡が入る。私たちは日本の携帯電話は解約していたので、メールの通知をタブレットで受けた。代理店から、夏はペットの輸送が多いため引き渡しまでに時間が余計にかかるかもしれないと言われていたが、みかんは到着から5時間くらいで引き渡された。
検疫所での引き取り
私たちは先に到着したので、先にホテルにチェックインして、連絡を受けてから検疫所にタクシーで向かった。タクシーを手配する時、ワンちゃん同乗OKか確認しよう。(ペットの追加料金はかかるが、たしか£5くらいだった。)タクシーは検疫所の外で待っていてもらった。
検疫所でみかんと対面した時は、本当に嬉しくて、歓声を上げた!!みかんも尻尾をぶんぶん振り回して喜んでいた。
空港近くの「ペット可」のホテル
私たちは空港近くのペットと泊まれるホテルを探した結果、シェラトン ( Sheraton Heathrow Hotel )を利用した。ヒースロー空港のターミナル5から1マイルの場所にある。
日本では「ペット可」という宿泊所でも、「正面入り口を使わないでください」とか、「ロビーは歩かせないでください」、「大型犬はダメ」など色々規制がある。「ペット可」といっても「しょうがないから連れてきてもいいよ」的な扱いが多いような気がした。飼い主は何となく肩身が狭いのではないだろうか?
しかしイギリスの「ペット可」はもっとウェルカミングな感じです。シェラトンでも大型犬のみかんがロビーを「ゼーゼー、ハーッ、ハーッ!!」とグイグイ引っ張りながら歩いていても全く問題ナシでした!(興奮するとやたらと引っ張るみかんです。)
やっと犬好きの国、イギリスに来たんだなぁ!
という感慨深い瞬間だった。それまでの苦労が並大抵ではなかったので、思わず人に頼んでまでロビーで家族写真をとってもらった霧立家。
ちなみに、このシェラトンホテル、朝ごはんのバイキングがとても豪華で嬉しかった!レストランだけが唯一、犬が入れなかった場所だった。
それから、わんちゃんの「うんちバッグ」と餌は、お忘れなく!渡英前は準備で忙しくて、うんちバッグや餌のことまで気が回らないかもしれない。しかし早速ホテルに着いてから散歩にも行くだろう。ホテル周辺はスーパーなどなかった記憶があるので、あわてないためにもうんちバッグと餌は渡英前にスーツケースにぜひ入れておこう!
目的地までの交通手段
公共交通機関
ほとんどのイギリスの公共交通機関では「ペット可」。バス、電車、フェリーはほとんど無料でペットを同伴できるはず。そういった意味で公共交通機関を使って、引っ越し先まで移動することは可能だ。
しかし、犬と一緒に海外から引っ越して来ている場合、おそらくみなさん
家族の人数分の大きなスーツケース+手荷物+犬+犬のケージ
でもれなく渡英しているのではないだろうか?しかも霧立家はユウがまだベビーカーで、しかもみかんのケージはバカでかい…。とても大人二人で対処出来る荷物量ではなかった。
そこで、我が家はレンタカーを借りることにした。
レンタカー
レンタカーは日本と同様に乗り捨て出来る。空港のレンタカーはとても高いので、出来れば他で借りた方が節約になる。ここでもやはりペット同乗可能か確認しよう。たいがいはOKなはずだ。
「ペット可」よりハードルが高いのは、おそらくマニュアル車を運転することかもしれない。ヨーロッパはほとんどの車がマニュアル車。オートマ車もあるが、数が少ないので値段が高い。
イギリスで車を購入する予定があるならば、渡英前に自動車教習所で「AT限定」を解除する講習を受けておくことを強くおススメする。車の値段もオートマ車はマニュアル車に比べてかなり高いし、マーケットにあまり出回っていないため選択肢が限られてしまうからだ。
そこで尻込みしてしまう気持ちは分かる!私も初めは「絶対無理!」と思ったが、必要に迫られて日本で自動車教習所に15年ぶりに通った。教習所はへんぴな所にあるし、子どもはまだ小さくて手がかかるし大変だったが、今考えるとマニュアル車に乗れるようになって本当に良かったと思う。慣れてしまえばなんてことないものだ。人間やってみるものですねぇ。
もともとマニュアル車で自動車免許を取った人も、日本で普段オートマ車しか乗っていない場合、ちょっとだけ練習しておくといいかもしれない。マナブ(夫)は知人の軽トラで練習させてもらった!
ちなみにイギリスは日本と同じ左側通行。これは安心できるポイント。それからスピード表示はマイル。道路標識はかなり見やすいので、あまり心配ないだろう。
移動中、疲れはあるはずなのに「イギリスに引っ越してきた!」という高揚感からずっとハイテンションだった。高速道路でもイギリス特有の田園風景を見渡せて、その美しさにずっと感動していた。マナブと交替して運転する時は異常に緊張して手に汗を握っていたのだが…。
実際に犬とイギリスに住んでみて
渡英時すでに9歳だったみかんに、
「長生きするのよ!せっかっくイギリスまで来たんだから!」
とよく言い聞かせていた。苦労もしたし、お金もたくさん使ったので(トータルで60万円以上)1年とかで死んじゃったら、ちょっとね…。
あれから5年経った今、みかんは14歳のお婆さんだが、平和な老後を過ごしている。大型犬だと100歳を超える年齢だろう。イギリスは夏でも涼しいし、広い公園でリードなしで走り回れるので犬にとってはストレスフリーの国。犬が長生きできる環境が整っている。みかんはイギリスに引っ越して来られて、本当に幸せだと思う。
さて、「犬と一緒にイギリスに引っ越す!」シリーズはひとまず今回でおしまいです。ワンちゃんを連れての引っ越しを考えている方に少しでもお役に立てたならば幸いです。
準備は大変です。でも苦労は必ず報われることを信じて頑張ってみて下さい。ペットと一緒なら、あなたのイギリス生活がずっと楽しく、豊かになることは間違いなし!と霧立は思います。