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玄関ドアと窓から見るイギリス文化

文化の交差点

30 9月

イギリスの家と日本の家は全然違う。
そんなことは、イギリスへ旅行に行った人ならば誰でも気が付くことなのだが、「一体どこが違うのか?」と具体的に聞かれたら、言葉に詰まる人も少なくないだろう。

最近、霧立家は今住んでいる山小屋をリフォームすることになった。リフォームするとなると、細部にわたって家を見るようになる。そうすると、日本の家とイギリスの家の違いが歴然としてきた。

今回は、玄関ドアと窓に特に注目して、そこから見えてくるイギリス文化について書いてみたい。

コンテンツ

  • 内側に開く玄関ドア
  • 古くて寒い窓ガラスを自慢するイギリス人
  • 通行人を楽しませる窓
  • イギリスの家には網戸がない
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内側に開く玄関ドア

イギリスの家の玄関ドアは、内側に引いて開ける。日本の玄関ドアは反対で、外に向かって押し開ける。

実はアメリカの玄関ドアもイギリスと同じで、内側に引いて開けるタイプだ。アメリカにいた時、これは防犯上の理由からだと聞いたことがある。悪い人に押し入られないように、ということだ。

またイギリスの場合、強風でドアを外壁にバーンっ!と打ち付けられられないように、というのも理由の一つである。これは、一年中強風が吹き荒れるスコットランドに住んでいると、「そりゃそうだ!!」と至極納得する。

ちなみに、霧立が友人にこの理由を聞いたことがあるのだが、「内側に開いた方が、人を招き入れる時ウェルカムな感じがしない?それに、ドアが外に開いたら、そこに立っている人に危ないでしょ?」と言われた。

日本の家を訪問したイギリス人が、急に開けられた玄関ドアで頭をぶつけないことを祈る…。

古くて寒い窓ガラスを自慢するイギリス人

「見て、うちのガラス。ビクトリアン時代の窓ガラスなの。横から見ると、ちょっと外の風景がゆらいで見えるでしょう?」

古いイギリスの窓ガラス

エディンバラ中心街にある、ビクトリア時代に建てられたタウンハウスに住む知人宅に訪れた時のことである。角度を変えて目を凝らして見ると、確かに風景が少し曲がって見える…。

「だからダブルグレイジング(二重窓)には出来ないの。歴史的な建造物リストに入っているからね。」

イギリスのほとんどの家は、二重窓。しかし、歴史のある建造物は保存対象となっており、好き勝手にリフォーム出来ないのである。よって、窓のガラスは一重。

二重窓万歳!の霧立には、なぜこんな古くて寒い窓を自慢気に話すのか、始めはまったく理解不能だった。しかし、長く住むうちに、この「外の景色が若干曲がって見える、古いガラス」のノスタルジックな魅力が分かるようになっている自分に気づき、我ながらおかしなものだと思った。

イギリス人は、たとえ不便であっても古いものを愛する人たちなのだ。

通行人を楽しませる窓

ある日、日本の住宅街を歩いていると、ほとんどの家の窓に白いレースのカーテンが下げられていることに気づいた。そして、真っ白ならまだいいのだが、その多くは薄汚れているか、黄ばんだカーテン…。

イギリスでは、白いカーテンで人目を遮っている家はあまりない。コリン・ジョイスによれば、ミドルクラス以上の家では特にレースのカーテンを飾らないそうだ(『「イギリス社会」入門』)。

プライバシー対策としては、都会のストリートにかなり近い家でも、ロールカーテンをちょっと下している程度。

それどころか、イギリスでは外の人に見せるために窓を飾る人が多い。

窓の外に花を飾るのはもちろんのこと、クリスマスが近くなってくると、サンタクロースの人形だとか、キャンドルの置物などがストリートに向かって出窓に飾られている家をよく見かける。

出窓の飾り
ストリートを歩く人を意識した窓のデコレーションは、まるでお店のよう。

「あれは、家の中で見たらぜったい裏面しか見えないのに、なんでそんなことをするのだろう?」。イギリスに引っ越した当初、霧立には全く解せなかった。

そして、7年暮らしてみても、やっぱり自分ではマネしようと思わなかったことである。私なら、見も知らずの通行人よりも、自分の目を楽しませたいと思うからだ。

それでも何年か暮らすうちに、イギリスの家は外に向かって開かれている、ということが分かるようになった。ちょっとした用事で誰かの家に出向くと、必ず “Would you like to come in?” (「どうぞお入りになって」)と招き入れられるからだ。

そこまで親しくない相手でも、招き入れ、お茶かコーヒーを出す。日本では、家の中に入れてもらえるのは本当に親しい人だけで、玄関先で済ませられることはそこで済ます。

イギリス人の社交性は、窓の飾り方からもうかがえるのだ。

イギリスの家には網戸がない

イギリスの家の窓には網戸がない。理由は、蚊がいないからだ。そのせいで非常にスッキリした見た目になっている。大変よろしい。

網戸のない窓

しかし、夏でも涼しい石造りのイギリスの家には冷房が付いていないものだから、夏になると家中の窓を開け放つ。そうすると、庭からミツバチやらハエやらが入ってきて、厄介なことになることも少なくない。

あるイギリス在住の方のブログ(「イギリス毒舌日記」)を読んだら、「ハエ取り紙」をリビング中にぶら下げたところ、たくさん取れてたちまちハエに埋め尽くされたという。しかし、イギリス人の夫君や子供たちから「気持ち悪い」と大変な不評を買ったらしい…。

では、イギリス人はどうやってハエ退治をしているかって?

ハーブや(ハエが嫌いな)花を庭に植えましょう。

バジル、マリーゴールド、ラベンダー、月桂樹、キャットニップ…。

料理にも使えるというおまけもありますよ!

“How to Deal With A Houseflies Infestation“

なんともイギリスらしいやり方だ…。

イギリス人は家の造りに関しても、利便性や即効性よりも美観を大事にするということなのかもしれない。

日本の家の玄関や窓は、どうだろう。

昔の書院窓や障子窓などは、木枠に和紙が張ってあり趣のあるものだった。それが時代を経て、現代のアルミサッシに取って代わられた。

障子窓

気密性は増し、防犯上の安全性も増し、安価で手に入りやすくなった。しかし、欧米文化を取り入れることに必死になって、美しい日本家屋をためらうこともなく取り壊してきてしまったことは、残念だったと霧立は思う。

さて、本記事の中で触れたコリン・ジョイスの『「イギリス社会」入門』はこちら。外国人には気づかない、細かいイギリス社会や文化について面白く綴られているのでおススメです。

「イギリス社会」入門
posted with ヨメレバ
コリン・ジョイス/森田浩之 日本放送出版協会 2011年07月
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知られざる珍妙なイギリス文化
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