子どもが何歳になったら携帯(スマホ)やiPadを与えるか?
子育てをしている親ならば、誰もがいつかは考えなければならない難題だ。子どもがスマホを手にする年齢は、年々早まっている。
わたくし霧立灯には9歳の息子がいる。先日、「クラスで携帯を持っていないのはユウだけだよ」とお友達から言われた。実際、学校に自分の携帯電話を持ってきている子がいるのは知っていた。
しかし、(まさか!ユウ一人だけなわけないでしょ。全く子どもは大げさなんだから…)と思っていた。そう、実際に調べてみるまでは…。
初めの携帯を持つ平均年齢
さて、イギリスの子どもたちは一体何才から携帯を持ち始めるのだろうか?Daily Mailによると、
ナント7.5才!!
お友達が言っていたのは、ウソでも大げさでもなかったのだ。しかし7.5才とは…。まだイギリスでは親と手をつないで通学する年齢だ。
しかも、イギリスって18才未満の子どもは、花火もマッチも買っちゃいけない国なのに!!携帯デビューは7才って、とてつもなく歪んでいる…。
「アメリカはイギリスよりまだマシだ」と聞いたことがある。実際、2016年の調査によると、初めに携帯電話を手にする平均年齢は10.6才。中学生になる11才、12才にはほぼ全員がスマホデビューしていることになる。
「ああ、良かった、10.6才かぁ。イギリスより全然遅いや…」とホッとしている自分に気づき、ぎょっとする。そりゃ、イギリスと比べればまだ遅いというだけで、アメリカでも霧立が予想していたよりもずっと早く子どもたちはスマホを手にしているのだ。
なにせ、霧立がスマホデビューしたのはつい最近。2017年のこと。夫マナブにいたっては、霧立が最近衝撃のiPhoneデビューを果たしたあかつきに、「お下がり」を譲り受け、人生で初めてスマホなるものを手にしたのだ。
霧立家のスマホデビュー、平均年齢41才。
イギリスの子ども、7.5才。
(一応、同じ国に住んでいるんだけどね…。)
ちなみに、日本の子どもはどうか?地域によってもばらつきがあるが、中学に入るタイミングでスマホデビューする子どもが多いという。
土壌は幼稚園までに出来上がっている
7才なんて、まだオンラインとは無縁なピュアな年齢なのになぜ?と合点がいかなかった霧立だ。しかし、子どもと保護者のメディアに関する調査(2017年)を見て、なんとなく分かったような気がした。
この調査で浮かび上がってきたのは、小学校に上がる前から子どもたちはかなりの時間をテレビやオンラインに費やしているということだ。
例えば、3~4才の子どもは、
- 21%が自分専用のタブレットを持っている
- 96%が1週間に15時間テレビを見る
- 53%が1週間に8時間、オンラインを使う
多くの子どもが1日に3時間以上、テレビやオンラインに時間を費やしていることが分かる。こう書いていても、にわかに信じがたいほどの数字である。
イギリスでは幼稚園が日本と比べてとても費用が高い。だから、半日保育で帰ってくるケースがとても多い。
そうすると、親は1日の大半を子どもの面倒を見て過ごすことになる。スクリーンタイムが驚くほど長い原因は、そういったところにあると思う。
しかし、幼い頃の習慣というのはそう簡単に抜け出せるものではない。また、スクリーンの刺激にどっぷりつかっていると、読書や外遊びの魅力を感じ取る想像力は萎えてくる。
こうして、多くのイギリスの子どもにとって、7才になるまでに携帯を手にするオンラインの土壌は出来上がっているのである。
本当は与えたくない親達

誰かと簡単につながるはずの携帯が、逆に孤独を深める原因になっている。
7.5才という衝撃の数字とは裏腹に、イギリスの親たちは、本当は子どもに携帯を与えたくないと思っている。Prioryの調査によると、保護者のうち、
- 40%は、16才以下のディバイス所持は禁止にすべきと思っている
- 67%が、スマートフォン所有年齢を政府に決めてもらいたいと思っている
- 92%が、インターネットは子どもに悪影響を及ぼすと考えている
ここから見えてくるものは何か?
ほとんどの親は、「与えたくない悪い物」を子どもに与えてしまっているということ。そして、親は政府や法律の介入なしには、子どものいいなりになってしまうということだ。
7才で携帯を持たされてしまった子どもたち

親は「子どもたちにせがまれて、携帯を買わされた」と思っている。しかし、どんなにねだられても、そこまで悪影響があると分かっているものを小さな子どもに与えるだろうか?
なんだかんだ言って「与える」という選択をしてしまっているのは親だ。法律の規制に頼ろうとしているのは、親の責任放棄ではないだろうか?
オンライン依存、SNSによるいじめ、学力低下、鬱…。スマホのもたらす闇は深い。しかし7才児には、そんな危険性は見越せない。
「クラスのみんなが持っているから」という言葉から、子どもを守れるのは親しかいない。
まずは、子どもが小さな頃からオンラインの習慣を出来るだけ減らすこと。そして親自身もスマホと適切な距離をとることが大事だと思う。