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アマチュア万歳!99.9%の習い事の先にある贅沢な生き方

ヴァイオリン· 子育て&教育· 暮らし

3 4月
Last updated on 2019/04/05

習い事とアマチュア

わたくし、霧立灯はアマチュアのヴァイオリン弾きである。

4歳から習い始め、途中受験などでいったんお休みしたこともあったけれど、人生のほとんどをヴァイオリンと共に過ごしてきた。

アマチュアのわりに、結構一生懸命やってきたつもり。また、20年くらいアマチュアオーケストラでも弾いてきた。

でも、ずっとモヤモヤしていることがあった。

プロでもないのに、私は一体なんでこんなにヴァイオリンを一生懸命やっているのか?

ヴァイオリンの練習をして、一体何になるのか?

プロでもないのに、こんなにいい楽器持ってていいのか?

アマチュアオーケストラのコンサートの意義ってなに?

こんなレベルでお金払ってお客さんに来てもらうって、おかしいんじゃないの?

と、正直いつも思っていた。それは、同時にプロの演奏家に対する尊敬と憧れでもあった。

でも、最近イチロー選手の引退会見を見ていて、目が開かれる思いがした。

今日は、

  • アマチュアとして何かに一生懸命打ち込んでいる人
  • 子どもの習い事の意味が見いだせない親御さん

に向けて書いていきたい。

コンテンツ

  • アマチュア万歳!99.9%の習い事の先にある贅沢な生き方
    • イチローの引退会見
    • 五嶋龍の苦悩
    • アマチュアが最高に贅沢なわけ
    • 本当に楽しむために必要なこと
    • 習い事の先にある贅沢

アマチュア万歳!99.9%の習い事の先にある贅沢な生き方

イチローの引退会見

イチローのインタビューはいつも興味深い。言葉に重みがあるので、人生哲学としてつい聞き入ってしまう。

この日の引退会見も、含蓄に富んだ発言が多かったが、中でも霧立にとって印象深かったのは次のような発言。

プロ野球をやっていて楽しいと思えたのは、初めの2年だけだった。その後は一気に番付を上げられて、それはしんどかった。やはり、力以上の評価をされるのは、とても苦しい。将来はまた楽しい野球をやりたい。これは皮肉なもので、プロ野球選手になりたいという夢がかなった後に、またそうでない野球(草野球)を夢見ている自分が、ある時から存在した。

(筆者の編集あり)

イチロー選手は「野球をずっと愛していた」と言っているが、それは「純粋に楽しんでいたか」ということとは別次元のことだったのだ。

野球を愛し、子どもの頃からプロ野球選手になることを夢見ていたイチロー。しかしプロになって期待されるようになってからは野球を楽しんだことはなかった、と言い切ったのは驚きだった。

五嶋龍の苦悩

五嶋龍さんは、言わずと知れた五嶋みどりさん(Midori)の弟であり、ヴァイオリニストである。霧立は、五嶋みどりさんの大ファンなので、龍くんのことも小さな頃から注目していた。

7歳の頃、PMFでパガニーニのヴァイオリンコンチェルト1番を弾き華々しいデビューを飾った。それからは「神童」として一躍有名に。

多才な彼は、ヴァイオリン一辺倒ではなく空手や勉学にも力を入れ、超名門ハーバード大学で物理学を学び卒業した。

その五嶋龍さん、演奏家として現在はどうしているのか?

ソリストとして世界のオーケストラと共演し活躍しているものの、超一流というレベルには達していないように私には聴こえた。

技術は申し分ないのだが、超一流の演奏者から感じさせられるあの「ゾクゾク感」がないのである。(こんなことを私などが言うのは、非常におこがましいからイヤなのだが。)

五嶋龍さんは、ヴァイオリンだけでなくアフリカの事業も手掛けるビジネスマンとしての顔も持っている。彼は、ヴァイオリニストとして生きることについて、何十年も悩んだとも明かしている。

ヴァイオリニストとして超一流になりきれず(?)、ビジネスも手掛けながら人生を模索している五嶋龍さんを見て、私は彼の苦しみが分かるようでちょっと辛くなった。

(この人は、ハーバード出て、その明晰な頭脳と人脈を生かした音楽とは別の仕事して、趣味としてヴァイオリンを弾いていたら最高に贅沢な人生だったんじゃないか…)

とお節介ながら思ってしまったのである。

彼のヴァイオリンの腕前は一流だ。紛れもなく素晴らしい。でも、音楽一家のもとに生まれ、偉大な姉がいて、小さな頃からヴァイオリン漬けで、7歳でデビューして「神童」としての注目を集め…となると、それ以外の道に進むことが極めて難しい。

周囲の期待、立ちはだかる壁。五嶋龍もまた、プロとして周囲の期待に応えて生きていくことの厳しさを感じているようだった。

アマチュアが最高に贅沢なわけ

これまで、霧立は「プロっていいなぁ。好きなことが仕事になって幸せだろうなぁ」とずっと思っていた。しかし、イチローや五嶋龍の人生に思いを寄せてから、

「実はアマチュアって、すごく贅沢な生き方なんじゃないか?」

と180℃考え方が変わった。

【アマチュアの魅力】

  • それで食べていく心配をしなくてよい。
  • 純粋に好きだからやっている。
  • 記録や評価の心配をしなくてよいので、プレッシャーがない。
  • 本当にやりたくない時や体調が悪い時はやらなくてもいい。

 ⇒結果的に大好きなことを純粋に楽しんで出来る。

これを読んでいる「アマチュア〇〇」のみなさん、あなたは最高に贅沢な生き方をしているのかもしれませんヨ!

本当に楽しむために必要なこと

しかし、イチローの引退会見で、実は気になったことがあった。それは、彼の以下のような発言である。

(草野球を楽しむという夢は)中途半端にプロ野球生活を過ごした人間には待っていないもの。(中略)やはりプロ野球でそれなりに苦しんだ人間でないと、草野球を楽しむことはできないと思っていたので、これからはそんな野球をやってみたいと思う。

えっ…?プロとして苦しんだ人じゃないと、アマチュアとしても楽しめないってこと?それってどういうこと?私は、アマチュアプレイヤーなんだけど、やっぱりそれじゃ本当には楽しめないってことなの?質問した記者、ちゃんと最後までその意味を追っかけてよ…!

と思ったが、記者はスルー…。

(あれで納得したのかねぇ?オイ!!)

仕方がないから、霧立はこのイチローの言葉の意味を一人でしばらく考えなくてはならなくなった。そして思い出したのが、『のだめカンタービレ』で度々出てきた、

「本当に音楽を楽しみたいなら、正面から音楽に向き合わなくてはダメだ」

というセリフ。

主人公の「のだめ」は、自由奔放にピアノを弾いてきた。「自由に楽しくピアノを弾いるだけじゃ、ダメなんですか?」と言っていた彼女は、楽譜や音楽と正面から向き合うことで、本物のピアニストへと成長していく。

のだめ ショパンピアノコンチェルト

ロンドンシンフォニーと共演しデビューを飾ったのだめ。

霧立は凡人だし、練習したところで「本物の何かになれる」なんて微塵も思ってもいない。しかし、どんなレベルだろうと、本気で取り組めばその分だけ見えてくるものがあり、より楽しめるようになるということは、経験的に分かっている。

日々の練習をサボって、好きな時だけ弾いて、音楽が楽しめるなんてあり得ない。表現したい音、やりたいことは、技術がなければ出来ないこと。

このことは、音楽だけではないはずだ。テニスだって、サッカーだって、将棋だって、語学だってみんな同じ。

イチローはストイックで有名だ。人一倍、鍛錬してきた人。だから、彼が「楽しい」と思える草野球のレベルは、相当ハイレベルなのだろう。

エラーと空振り連発、盗塁失敗だらけの草野球は、やっぱりやっていたって楽しいはずない。真に楽しむためには、最高の技術が必要だとイチローは言いたかったのではないだろうか?

また、イチローは数々のプレッシャーを制圧してきた人。だからこそ、プレッシャーから解き放たれ時、野球の本当の楽しみを草野球の中で味わえると言いたかったのではないだろうか?

もちろん、みんながイチローみたいになれるわけではない。99.9%の人間は、アマチュアどまりだ。

しかし、それぞれのレベルや能力に応じて成長することは、誰にでも出来るはずだ。

努力して登った人だけが見える景色

努力して登った人だけが見える景色がある。

習い事の先にある贅沢

習い事は、楽しいだけじゃない。日々の地道なレッスン、忍耐力が不可欠。

霧立自身、小さい頃はレッスンが嫌いだったし、今息子にヴァイオリンを教えていて、

(こっちがヤメたいっ!!)

と何度思ったことか。でも、今思うのは、もし私がヴァイオリンをやっていなかったら、控えめに言って人生の1/3は色あせたものになっていた、ということ。

逆に言えば、ヴァイオリンのおかげで私の人生は相当豊かになったということだ。プロになる才能はなかたけれど、それなりに努力してきたから、楽しんで弾ける。

これは、ただテレビを見たり、旅行に行く楽しみとは全然違う。テレビは、スイッチをオンにすれば誰でも見られるし、旅行はお金と時間さえあれば誰でも行かれる。

でも、習い事は自分の内側にある能力を成長させる楽しみがある。人間にとって、「何かが出来るようになる」というのは本能的な喜びだ。

しかも、それが好きなことであり、他者とのよい関係を作り出すものであればなおさらだ。しかも、プロではないので、誰からのプレッシャーもなく、純粋に楽しい。なんと贅沢なことか…。

99.9%の人にとって、習い事先にあるのはプロの道ではなくこういう贅沢な生き方だ、と霧立は思う。習い事をさせている親としては、子どもの進歩を自分や他人と比べるのではなく、その子自身の成長として子どもと共に喜び、日々の鍛錬を励ましていくことが何より大事だ、と思わされた。

【五嶋みどりと龍の英才教育が綴られた一冊】

子どもの音楽教育を考える上での必読書。

 

 
母と神童

posted with ヨメレバ
奥田昭則 小学館 2001年10月
楽天ブックス
Amazon
Kindle
 

 

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