最近、わたくし霧立灯はイギリスで大家になりました。いわゆる’Landlord’。なんだかとっても偉そう~。 しかし実際、地域にもよりますが、イギリスの人気のある都市部ではそう簡単にお気に入りの賃貸物件を落とせません。つまり、大家に有利で、借主の立場は弱いのです。 日本とは逆で私も驚きました。
今回、大家になって初めて見えてくることが沢山ありました。そこで、今日は霧立が「実は大家はこんなことを見ている!」ということを書いていこうと思います。また、最後におススメのエージェントもご紹介しますね。
気になる物件を見つけたらすぐに動け!

人気のある地域ほど、不動産の売買や賃貸契約はものすごいスピードで決まっていく。マーケットに出されて、数日でもう契約がまとまった、というケースも珍しくない。
さて、買うにしても、借りるにしてもビューイング(内見)は欠かせない。気になる物件があったら、すぐにでもビューイングを申し込もう。
というのも、大家はビューイングの回数を最小限に抑えたいからだ。ビューイングのために、大家は家を完璧に見せるために相当な労力を使う。
- ビュワーが自分たちの生活を思い描けるように、大家の生活感を感じさせるモノは全部見えないところに隠す!デコレーションはさりげなく。
- 花を買ってきて飾る。
- とにかく家が完璧に見えるように、前日から念入りに掃除する。

実際、私たちは2回しかビューイングをしなかった。マーケットに出して、約10日間で入居者が決定した。そうすると、もう予定されていた次のビューイングはキャンセルされてしまうのである。
大家はビューイングの回数を最小限に収めたい。気になる物件があったら、先延ばしにせずに、すぐに直近のビューイングの予約を!
大家は入居者全員と会っておきたい

単身で住む場合以外、ビューイングにはパートナー同伴で行った方が有利。大家は、実際に住む入居者全員と会っておきたいと思っている。
家を売る場合と大きく違うのは、「どんな風に住んでくれるのだろう?」「何か問題があった時に、問題を隠したりせずに自分たちとコミュニケーションを図りながら解決できる相手なのか?」ということが重要になってくる。
ビューイングの時に代表者が1人だけの場合と、夫婦や家族で来る場合ではその情報量が違ってくる。もちろん、申込の段階で入居者全員の情報は提出しなければならないが、ただの情報と実際に会って話すのでは全然安心感が違う。
ビューイングには、夫婦で、あるいはパートナー同伴で行くべし!
ビューイングは自分を大家に知ってもらうチャンス!
ビューイングとなると、ほとんどの人はその不動産物件を見ることにやっきになる。それは当然のことで、まずはその家や周囲の環境のことをつぶさに観察し、聞きたいことがあったら大家に質問する大事な機会である。
しかし、人気のある物件の場合、大家は複数の申込者の中から入居者を選ぶことになることを忘れてはならない。
大家が入居者を選ぶ場合、プラスになるのは次のようなポイント。
・長期で借りてくれる
・家を大事にしてくれる
・フレンドリーで礼儀正しい
・近所迷惑になるような騒音を出さない
・DIY能力がある
・自分とライフスタイルや価値観が似ている
・ガーデニングが好き(庭がある場合)
大家は、入居者が出るたびにプロモーションなどで経費がかかる上、家賃の空白期間が出来るため、特別な事情がない限り「長く住んでくれる」というのは最重要ポイント。
たいがいの場合、申し込みの際に「どれくらい住む予定か?」と尋ねられる。多くの人は、「2,3年」「3年以上」などと長期で住むことを示唆するが、拘束力はないので大家としてはそれをどこまで真に受けていいのか分からない。
そこで、「〇〇の理由で3年は住みたいと考えている」「子供が小学校に入るので、落ち着きたい」などと具体的に理由を話してくれると、信ぴょう性が高くなる。
また、イギリスの家はたいがいどこも古いのでDIY能力が必須。小さな修理のために毎回職人を派遣するのは大家の負担になるので、多少でもDIYが出来る入居者は大家としてはとても助かる。
また、霧立の家のように庭がある場合、ガーデニングが好きなことは大きなポイントとなった。ガーデナーを定期的に雇うのは大きな負担になるからだ。

他にも申し込みが入りそうな物件の場合は、ビューイングは物件をみるだけでなく、自分のことを大家にアピールする重要な機会として捉えるべし!
【番外編】
ビューイング予約時間より1時間以上早く到着した留学生2人組がいた。「バスが1時間以上なくて早く着いちゃいました。見せてください」(←バスは10~15分おきに来るけど?)「まだ準備できてません!悪いけどどっかでお茶しててください」と言ったのに、20分もするとまた来て「もう入ってもいいですか~?」と…。ビューイング開始1時間前というのは、最後のデコレーションや掃除で大家は最高に殺気立っている。5分前ならいいが、それ以上前に来るのはマナー違反&自分の評価を落とすだけ!お気をつけください…。
申し込みの際のメッセージ欄は最大限に活用しよう
これは斡旋会社(エージェント)にもよるのだが、もし申し込みの際に大家にメッセージを書き込める欄があったら、これを使わない手はない。
実際、会った時の印象も、メッセージの印象もダントツNo1だったのが我々が選んだ入居者。彼らのメッセージにはこんなことが書かれていた(プライバシーのために国籍や詳細は変えています)。
Our 4 year old son (〇〇〇) is the only dependent who will be living in the property with us. We don’t have any pets. We are the Spanish couple who have an allotment growing veggies.
We found your flat to be very homely and just perfect for our family and we will take very good care of it-including the lovely garden! We are quiet, respectful of our neighbours, and responsible tenants.
It was a pleasure to meet you and thank you for taking the time to show us around your beautiful home today. If you require any additional information about us, we would be very happy to provide it, so please don’t hesitate to get in touch.
All the best,
〇〇&△△
溜息が出るほど、感じのいいカップルじゃないですかっ!!実際、家賃を上乗せしてまでオファーしてくれた人たちもいたのだが、コメント欄が超そっけなかったのだ。
We are a small family. Our daughter is 4 years old. We don’t have pets.
えええ?そんだけ?!
しかも、悪いことに私はこの夫婦とほとんど会話する時間がなかった。そうすると、私にとっての彼らの印象はこの短い3文と、夫マナブからの印象だけ。
また、この方たちは、家のことを沢山質問してくれたものの、自分たちのことはマナブにあまり話さなかったという。
初めは高い家賃オファーにぐらっと惹かれたが、冷静に考えたらその人たちのことがイマイチよく分からん…ということで超好印象のスペイン人家族に決定したというわけだ。この辺が、売買と賃貸の大きな違いだ。
以上が、大家が貸し手を選ぶ基準として注目しているところです。ほとんどの大家は「家を大切にして、長く住んでくれる、礼儀の正しい借家人」を最も優先します。
物件を見るだけでなく、大家に自分のことを知ってもらうこと、アピールすることをぜひ忘れないで下さい。大家だって人間。信頼できる、好感度の高い人に住んでもらいたいのです。
【2019年の全英のベスト・エージェント】
・The ESTAS
【エディンバラでとても評価の高い賃貸エージェント】
・Umega Lettings