初めに断っておくと、イギリスに犬と引っ越すのは、並大抵ではない。費用も、労力も途方もなくかかる。イギリスは犬を輸入するのに、世界一厳しい国だとも言われている程だ。
それでもなお、霧立は愛犬との引っ越しを強くおススメする。いざ行ってしまえばイギリスは犬にとっても愛犬家にとってもパラダイスだからだ。恐らく、犬にとって世界中で一番住みやすい国。だから、イギリスに犬と一緒に引っ越しを考えている飼い主さんは、ぜひご一読を!
犬と一緒にイギリスに引っ越す!【その① 輸送手段とその費用】
入国ルート
まずは引っ越し先がどこであれ、必ずロンドンで検疫を済ませなければならない。ロンドンまで行く方法は大きく分けて二つ。
- 飛行機でロンドン・ヒースローまで飛ぶ。
- オランダまで飛行機(KLM)で飛んで、そこから船でイギリスに入国。
小型犬ならば、2の船ルートが断然お勧めだと思う。なぜなら、KLMならば、機内に手荷物としてペットの同乗が可能だからだ。キャリーバッグを含めて8キロ以内であることが条件だ(詳しくはこちら)。
しかし、体重制限にひっかかったワンちゃんの飼い主さん。選択肢は残念ながら①しかない。そして、みかんのような大型犬を買っている飼い主さんは、ここから、覚悟してお読み頂きたい…。
イギリスはペットを「航空貨物」(エアカーゴ)という扱いでしか「輸入」出来ません。
と言われても、普通は「??」だと思う。
霧立も5年経った今でも「?」という感じ。
でも、分かっていることは、「ペットはあなた(人間)とは別の飛行機で輸送される」ということと「料金体系が手荷物扱いの場合に比べて異常に高い!」ということ。
【イギリスへの航空貨物取り扱い航空会社】(2018年11月現在)
2013年当時は、エバー航空のペット貨物の取り扱いはなかった。それ以外の三社の運賃(輸送料)はあまり変わらなかったが、それぞれの航空会社が契約している現地費用があり、総合的にはBAが一番安いとのことで、我が家はBAを選んだ。
個人輸入は不可能。代理店を通そう。
航空会社を決めても、自分で予約などの手続きは出来ないので注意!必ず代理店を通す。
ペットの輸送は、人間のように単に飛行機に乗って入国審査を経て入国、というわけにはいかないからだ。まずは日本でも出発前日に空港で検疫があり、イギリス到着後の引き取り、輸入通関、輸入検疫などなど、手続きが山のようにある。とても個人で手配できるタスクではないので、代理店が必要になってくるのだ。
Googleで「海外、ペット、引っ越し」などのキーワードを入れると代理店がいくつか出てくるので、まずは見積もりをとってみよう!
大型犬の輸送費用
さて、気軽に見積もりを依頼した一社目から見積もりが上がってきた。気になる見積金額は…
¥968,000-
霧立は目が点になり、一瞬凍り付いてしまった。
5分後…。
「…そんなわけないじゃーん!きっとこれは一桁を間違えたんだよ。¥96,800に決まってるでしょう?そうに決まってる。そんな96万なんて、そんなの、お笑いでしょ?!はっはっはっ!」
といってその代理店に即電話。
「これ、一桁間違っていますよね?」と明るい声で尋ねたら、
「いいえ、間違っていません。確かに¥968,000です。」
と冷静に返され、霧立、数秒の間、言葉が出なかった。
見積もりの金額は、ペットの体重、ケージの大きさ、飛行距離などによって算出される。そして総重量が1キロ違うだけで、数万円の違いが出てくるということらしい。霧立はまだケージを買っていなかったので、ネットで探した大きめのケージの寸法を先方に伝えていたのだ。
「ワンちゃんの正確な大きさを測定し、もう一度、ケージの大きさをご検討なさってみてはいかがでしょうか?」
とごもっともな助言を受け、意気消沈しながらも、ひとまず出直すことにした。
知人のラブラドールがアメリカから日本に帰国した時は、「手荷物扱い」で超過分の料金を払えばよいだけだったので、確か3,4万円くらいしかかからなかったと聞いた。それが「貨物扱い」になるだけで、96万円とはなんたる違い!
「貨物?エアカーゴ?それ一体何なのよーっ!!」
検疫関連書類作成で受けるストレスとは、また別の種類のストレスが同時進行的にふりかかってきた。
結局その後、何社からか見積もりをとって、¥547,319まで下がった。その時の代理店や詳しい内容はこちらから。
次回は【その② 検疫と書類の準備】について書こうと思う。