鱗雲が窓から見える。
スコットランドでは、8月に入るともう空気が秋の気配だが、9月ともなるともう本格的な秋が到来する。近くの丘では、ブラックベリーがたわわになっている頃だ。土曜日の午後、ユウ(8歳)と秋の味覚の収穫へ出かけた。
夏の間、何度もラズベリーを摘みに行ったいつもの丘。鮮やかだったラズベリーも、人に摘まれることなく干からびた姿でかろうじて枝にしがみついている。
かたやブラックベリーは今が最盛期。黒々と太った実が、太陽の光を反射させてキラキラ輝いてる。「さあ、好きなだけとっていっていいよ」と言わんばかりに、小道の両側はブラックベリーがどこまでも続いている。自然はまったく気前がいい。
ユウはせっせと摘んで、食べてしごくご機嫌。

「見て見て!おっきいの見つけた!」
私のもう一つのお目当てはエルダーベリー。春に咲く、白い花で作るエルダーフラワーのコーディアルは、上品な香りが格別だ。イギリスでは夏の爽やかな飲み物として昔から愛されている。
秋に収穫するエルダーベリーでもコーディアルやジャム、チャツネが作れる。こちらもたわわになっていて、重そうな頭をだらんと下に垂らしている。

摘みながら、ワイン色に染まった茎の美しさに見とれてしまった。
ぶらぶらと、丘の小道を歩きながらブラックベリーとエルダーベリーを摘んでいたら、栗の木発見!
この丘は本当に恵の宝庫だ。
帰り道、ヒラギノ葉っぱを見たユウは
「クリスマスの時に、こういうのお家のなかにかざるの、ぼく好きだなぁ…!このHillすごいよね。ぼくはここが大好き。」
と言っていた。心底満ち足りた表情で。
子ども時代を自然の近くで過ごせることは、本当に幸せだと思う。うちは、ゲームやタブレットなどは一切子どもに与えていない。ユウは自然のなかにいる時、最高に生き生きしている。五感全てで自然を感じ、楽しんでいる。
家に帰ったら、私は疲れていたけれど、ユウは早くクランブルを作りたくて仕方ない。下準備や材料の計測はユウにやってもらって、一緒に作ったブラックベリーのクランブル。
手軽に作れて美味しいクランブルは、イギリスの誇るデザート。アツアツをアイスクリームやクリームと一緒に食べると最高!
- オーブンを180℃に余熱する。
- ブラックベリーを丁寧に洗って、グラニュー糖とコーンフラワーと一緒にボールに入れる。かるく混ぜ合わせて、耐熱容器に入れ、20分ほど置いておく。
- 薄力粉と無塩バターを大きなボールに入れ、指差でバターを潰すようにしながら薄力粉となじませ、全体がパン粉状になるようにする。最後にブラウンシュガーを加え混ぜる。
- 2のブラックベリーの上に3を均一にふりかける。余熱が完了したオーブンに入れ、45~50分焼く。
- 粗熱が取れてから、アイスクリームなどをトッピングして出来上がり。
- アツアツを頂くのが一番おいしいので、時間を逆算して作るといいと思います。
- 生クリームをトッピングする場合、泡立てなくてOKです。
- 甘さは控え目にしていますので、砂糖の量はお好みに合わせて調整してください。
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