エルダーフラワーというのは、イギリスで毎年6月になるとあちこちで咲き出す、白い可憐な花。”June bride”(ジューンブライド)もあってか、花嫁のウエディングドレスのレースを思わせる。

上品なマスカットのような香り。小さく可憐な花はレースみたい。
イギリスでは、エルダーフラワーの香りをシロップに移したコーディアルが夏の飲み物として昔から愛されてきた。今ではスーパーで一年中売っているのだが、自分で摘んできたお花で作るコーディアルは格別。
まずは、お花を摘みに行くということは、自然の中に入っていくこと。いつ頃、どこにどんな植物が花や実をつけるのか?といったことを分かっていないといけない。
エディンバラは都会だが、自然もまだたくさん残っている。エルダーフラワー、ワイルドラズベリー、ブラックベリー、そしてエルダーベリー…。初夏から秋まで一か月ごとに主役が立ち替わる。
子供と一緒に散歩しながら、どこにどんな植物があるのか覚えておいて実りを待つのはとても楽しい。人間が自然の近くにいるのは、とても幸せなこと。

「毎週作りたい!」。こういうのが大好きな8歳の息子。
エルダーフラワーのコーディアルを作る時は、キッチンが上品なマスカットのような香りでいっぱいになる。子どもと一緒にキッチンに立つのは、とても楽しい。
子ども時代に自然と親しくなることは、一生の財産になる。「豊さ」を生み出す自然に配慮できる大人になれるからだ。何より、利便性優先でストレスの多い都会型生活より、ずっと豊かな世界を知ることが出来るからだ。
さあて、ではそろそろレシピに移りましょうか!
- レモンとオレンジを熱湯で洗い、輪切りにする。
- 【シロップを作る】 水、グラニュー糖、クエン酸を合わせて大きめな鍋に入れ、火にかける。ぐらぐら沸騰させずに、グラニュー糖とクエン酸が溶けるまで、時々かき混ぜながら加熱。
- 大きなボールに水を張り、エルダーフラワーを水の中にくぐらせ、汚れや虫を取る。優しく水を切る。
- 熱いままのシロップにエルダーフラワーとスライスしたレモンとオレンジを漬ける。お花が完全にシロップに浸るように。お鍋にそのまま入れてOK.
- 4の容器(お鍋)にカバーをかけて一晩置く。
- 翌日、液体を濾して、清潔な瓶に保存。濾した液体を再沸騰させると、持ちがよい。
- 【Tips!】 取り出したレモンとオレンジは、捨てないで!とーっても美味しく漬かっていますので。そのまま食べてもよし、コーディアルのドリンクに入れても最高です。
保存について
賞味期限はだいたいですが、ひと夏は持ちます。秋以降も楽しみたい人は、冷凍可能な容器に入れて冷凍しましょう。
飲み方について
コーディアルを冷たいお水で割って飲むのが一般的。ストレートで飲むには甘すぎます!コーディアルというものは、お砂糖の濃度を上げることで、きっと腐敗を防ぐ昔の人の知恵だったのでしょうね。
あとは、炭酸水(無糖)で割るのもおススメです。
あると便利なものたち
保存瓶
こういうのが1本あると、とても便利。注ぎやすいので、こぼれません。でも、たくさん必要な時は、私は白ワインのボトルを再利用しています。
じょうご
毎日使うものではないのですが、いざという時、あるのとないので全然作業効率が変わるのがじょうご!
今回、我が家もこれがなかったために、保存瓶にコーディアルを入れるのが大変でした!作業スペースも、手もベタベタ!
ステンレスだと、こういう温度の高いものでも安心して使えるので、私も買おうと思います。この商品はアマゾンのレビューでも高評価でした。
エルダーの木の苗
それから…「そもそもエルダーの木なんて日本にないよ!」と言われてしまうかもしれませんね。でも調べたら、売っていたんです!ほら!
霧立さんのレシピはいつも優雅で美味しそうです。エーデルベリーってこの辺にあるのかな?似たようなお花があったので、写真に撮ってみましたが、どうなんでしょう。エーデルフラワーのコーディアルは、体にいい成分が入っているんですか?
エラは暑いさま
エルダーベリー、イギリスではこの時期、そこら中にあります!
体にいい成分…。
気にしたことなかったのですが、今調べたら結構よい成分があると知り、ビックリ。
風邪やインフルエンザの予防(免疫向上?)、糖尿病、関節痛などに効果があるようです。
今度、もっとしっかり調べて記事に加筆しておきますね!
霧立灯