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ローマ人がバースに作ったスーパー銭湯

Travel

25 10月
Last updated on 2018/10/26

ローマ人がバースに作ったスーパー銭湯

最近日本で人気の「スーパー銭湯」。行ったことのない人のために説明すると、スーパー銭湯とは

  • 内湯のみでなく、ジャグジー、サウナ、露天風呂などの付加的な風呂設備がある
  • 食事スペースや休憩場所がある
  • 理髪店、ボディケア店が入っている

といった特徴がある。

驚くべきことに、2000年前にローマ人はまさに「スーパー銭湯」いや、もしかしたらそれ以上の「超デラックス・スパー銭湯」ををあちこちに作り、日常的に楽しんでいたのだ!

霧立一家は大の古代ローマ史好き。昨年はローマ、先日はイギリスのバースにあるローマン・バスにも行ってきた。

バースのローマン・バスは、展示の仕方が本当に素晴らしかった!これまでの知識がもっとリアルになった感じ。その「リアル感」を今日はぜひお伝えしたい。

この記事は、

  • 古代ローマの公衆浴場について知りたい人
  • イギリス・バースにあるローマン・バスに興味のある人

に向けて書いていきたい。

コンテンツ

  • これがローマのスーパー銭湯だ!
  • バースのローマン・バス
  • まとめ
  • ローマン・バスの基本情報

これがローマのスーパー銭湯だ!

まずはローマの公衆浴場の全体図。本当はもっと巨大なのだが、これは施設内容を紹介するためにこじんまりと作成されたイラストである。

ローマの公衆浴場全景

http://www.earthlymission.com/how-to-use-a-roman-bath/より

A~Fまで日本語で説明していこう。

A 脱衣所

ここで衣服を着脱する。奴隷が洋服の番をする。脱衣所

【ローマン・バスに行って分かったこと!】

実際、奴隷は衣服の番をサボっていたのか、衣服が盗まれることが頻繁にあった。ローマン・バスでは、盗まれた人は女神「ミネルヴァ」に呪いをかけてもらうように石にメッセージを刻む。

実際に霧立が展示で見た「呪い」の例

わたしの髪飾りと洋服が盗まれました!そいつが、帰り道でぜひ事故にあうようにしてやってくださいまし!(拙訳)

お、おそろしい…。薄い石に書き付けた字が、マジ怒ってた…。

それで、その呪いの書かれた石は、浴場のお湯に「えいやっ!」っと投げ入れる場所があるらしい。そういう石がたくさん展示されていた。2000年前の怒りを生で体験してしまった霧立。

ちなみに、これが「呪い」を聞いてくれるというローマン・バスの女神、ミネルヴァ。

ローマンバスの女神ミネルヴァ

B ジム

ローマの公衆浴場のジム

ウェイトリフティング、レスリング、ボール投げなどをしてまず汗をかく。イラストのようにゲームをすることもあったようだ。裸で、ゲームやレスリング…?なぜわざわざ服脱いでからやるのか…?結構ワイルドだったのかもしれない、ローマ人…。

C スイミングプール

ジムで汗をかいたあとは、保温されていないプールで泳ぐ。

D マッサージ・ルーム

ローマの公衆浴場で使われたスクレーパー温かい部屋で奴隷がオイルを使ってマッサージし、体の汚れを金属のスクレイパーでこそぎ取る。ローマ時代は石鹸がなかったのだ。

左が金属のスクレイパーで、右がオイルの入った容器。なんだか痛そう…。

E サウナ

サウナの床下構造

床下で火をぼんぼん焚いて、サウナルームを熱くする。床下はだいたい1メートルくらいの高さのある空間になっていて、無数のレンガの柱で床を支えている。床はとても熱くなるからサンダルを履かないとヤケドする!

F 冷水

サウナで熱くなった体を冷却するために、冷水にザブンと入る。日本の温泉にもあるサウナ&冷水のお黄金コンビ。ローマ時代からあったのだ!

上のイラストには描かれていないが、ローマのカラカラ浴場に行った時、併設されていた図書館の跡も見た。余裕で半日は楽しめそうな、まさに「超デラックス・スーパー銭湯」だ。行きたいっ!!

入浴料

そんな「超デラックス・スーパー銭湯」、高くてなかなか行かれなそう…と思うかもしれない。しかし、当時庶民の家にはお風呂がなかったため、ローマ人は毎日のように公衆浴場に通ったという。では、気になる料金のほうはどうだったのか?

男性:1quadrans

女性:4quadrans

子ども:無料

「女性が男性の4倍ってなんでよ?!」とまず目につくが、それはひとまず置いておいて…この「超デラックス・スーパー銭湯」、料金はなんと激安だったらしい。

この”Quadrans”(クォドランス)というのは、当時の最小単位の硬貨1枚分。今でいう1円とか5円とか、そんな程度だったのかもしれない。信じられない。これだったら霧立家でも毎日行かれそうだ。

だからといって、女性料金が4倍というのはおかしいなぁ。2クォドランスずつにすりゃいいのに…。なんでよ?ブツブツ…。

バースのローマン・バス

次にイングランド南部バース(Bath)に1世紀にローマ人が作ったローマン・バスの魅力を紹介したい。

イギリスで唯一の温泉街

ローマンバス

イングランド的なものと、ローマ的なものが混在しているバースの街。

この町の名前は、「お風呂」から由来して「バース」。まさに「お風呂の町」!というのも、イギリスで天然温泉が湧くのはこのバースだけ、というから頷ける。

「火山も地震もないイギリスに温泉?」と思うかもしれない。しかし、この温泉は地中深くの地熱によって熱せられた地下水が、ライムストーンの間を縫って地上にあふれ出した珍しい温泉なのだ。温水の温度は46度。まさに温泉にちょうどいい温度なのだ!

ローマ人にとって、寒いイギリスでこの温泉の湧く地は特別だった。寒さで凍えた体をゆっくりお湯につかって温め、リラックスする場だったのだ。

また地下から溢れ出るこの温泉には神秘的なヒーリングパワーがあると信じられ、遠くからはるばる人々が訪れる湯治場でもあった。

ローマン・バスで見れるもの

あの有名な半屋外の浴場だけでなく、たくさんの興味深い展示がある。イギリスに攻めてきたローマ人たちの生活、浴場に併設されていた神殿での儀式などが、分かりやすく展示されている。

また音声ガイドが料金に含まれているので、これを片手に見学するのがとてもよかった!音声ガイドには日本語も入っているので心配ご無用。

ミュージアムなどで説明のタグを読んでいると、どうしても展示自体に目が向かない。しかし音声ガイドがあれば、展示をよく見ながら説明が聞けるので、ずっと得るものが大きいということに気が付いた。

霧立一家は4時間滞在して、隅から隅まで楽しんだ。少なくとも2時間の滞在時間は見込みたい。

ローマン・バスの展示力

これまで遺跡スポットには結構行った。けれどもローマン・バスほど「展示力」のある遺跡は初めてだった。例えば、ローマの公衆大浴場として有名なカラカラ浴場はこんなかんじ。

ドーン!!

カラカラ浴場

1600人収容できたというローマのカラカラ浴場。とにかく巨大!公衆浴場は時のローマ皇帝が権力の誇示と、民衆の人気取りのために建設させたのだった。

カラカラ浴場内部

カラカラ浴場の内部。ここはぬるいお湯のお風呂だったような…。

展示は文字の説明と見取り図があるくらい。「ここが〇〇のお風呂でした」と言われても、2000年前の遺跡はほとんど壊れていて当時の様子を想像するのが難しい。もちろんほとんどが修復工事されているパルテノン神殿よりは「歴史の重み」が伝わってきていいのだけれど、「これ…どこがどこ…?」とぼんやりとした印象になりがちだ。

しかし、ローマン・バスの場合、壊れてしまっている部分を遺しつつ、CGで当時の様子を生き生きと復元してくれている。例えばこんな感じだ。

ローマンバスの神殿の復元

濃い黄色の部分が遺跡部分。周りの薄い色の部分は復元部分。

遺跡部分だけだったら、何が何だか分からない展示となっていただろう。あとはCGで当時の色彩もこんな風に見せてくれる。

ローマンバスの神殿の復元

ローマ人は色彩豊かなデザインを好んだという。これは「こんなかんじだったかも」という想像。

しかも作りすぎないCGがいい。想像力をほどよくアシストしてくれる感じの情報量を提供してくれるのだ。これは、結構むずかしい匙加減だと思う。

ローマン・バスのクライマックス!

一連の展示が終わると、実際の大浴場へ出るにくいしかけ!今でも温かいお湯が湧いている。外気が寒い時などは白い湯気が見えるはず。

お湯がエメラルドグリーンなのは、直射日光で藻のようなものが発生しているためという。天井があったローマ時代は透明なお湯だったと説明されていた。

ローマン・バスで音声ガイドに聞き入る

音声ガイドの説明に聞き入るユウ。憧れのローマン・バスでローマ人の気分か?

ローマ人にとって公衆浴場は社交場であった。毎日ここへ来て、お風呂場のへりに座って色んな話をしたという。こんな感じ。ローマ人たちにとって公衆浴場は社交の場

2000年前、今自分がよりかかっているこの柱に、いにしえのローマ人がもたれかかってきっと政治談議をしていたんだ…。

そう思うだけで、実際の歴史の一部と重なり合えることへのかすかな興奮を感じた。

まとめ

このように、ローマの大衆浴場は、まさに日本の「スーパー銭湯」のような機能が備わっていた。

ローマ帝国が勢力を失った4世紀ごろ、ローマ人たちはバースを引き上げた。残されたローマン・バスは管理する人たちを失い、詰まった配管が壊れて水浸しになり、廃墟と化したという。なんてもったいない話だ!お風呂に入る習慣のなかったイギリス人には、公衆浴場の楽しみが分からなかったのかもしれない。

時間的にも、地理的にも文化的にも遠い日本人と古代ローマ人。「お風呂の愉しみ」という意外な共通点があったことは興味深い。

ホンモノの遺跡の持つ魅力にどっぷり浸かれて、大満足のバースだった。

ローマン・バスの基本情報

入場料

 大人学生シニア子どもファミリー1ファミリー2
料金£16.5£14.5£14.5£10.25£48.00£33.60

*学生はID提示。/シニアは65歳以上。/子どもは6~16歳。/ファミリー1は大人2人、子どもは4人まで。/ファミリー2は大人1人、子ども4人まで。

我が家は大人2人+子ども1人なので、日本円にして約6500円。結構高いが、これは十分その価値があった。

ファッション・ミュージアムとアートギャラリーのセット券はこちらから。

場所

Roman Baths, Abbey Church Yard, Bath, BA1 1LZ

【車で来る場合】

Park and Ride は無料で駐車出来る大きな駐車場。そこからバスにのってBathの街中まで15分ほど。街中はパーキングを探すのが難しく、また料金も安くはないのでPark and Rideを利用すると時間を気にせずに観光出来る。バスは頻繁に出ているのでとても便利だった。

詳細はこちら。

【電車で来る場合】

ロンドンのパディントン駅(Paddington)から、バース・スパ駅(Bath Spa)まで快速が出ている。

あるいはロンドンのウォータールー駅(Waterloo)から、少しゆっくりだが安く行かれる電車が出ている。

いずれも最寄りもバース・スパ駅からローマン・バスまでは徒歩10分。

【コーチ(バス)で来る場合】

ロンドンのビクトリア駅(Victoria)、ヒースロー空港(Heathrow)、ガトウィック空港(Gatwick)からもNational Express社のコーチでバースまで来られる。

ロンドン(ビクトリア駅)からは2時間20分で片道£5!1日16本も出ているから結構便利かも。詳しくはこちら。

 

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