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ここがスゴイよ日本の学校!【その① 食育教育】

子育て&教育· 文化の交差点

15 8月
Last updated on 2018/08/16

日本の学校の給食

日本にいるときは当たり前だと思っていたことも、海外で暮らしていると「実はあれって、すごかったんじゃない?!」ということが沢山ある。

今回は2回に分けて日本の学校教育の中で、霧立が感じた「とてもスゴイところ!」を書いていきたい。

Contents

  • 給食を通しての食育
    • イギリスの給食
    • 日本の学校の給食
    • さらに進化した日本の給食
    • まとめ

給食を通しての食育

イギリスの給食

イギリスの学校にも給食はある。”School Dinner”と呼ばれている。(「ランチなのにディナー?」と首をかしげる人もいるかもしれないが、ちょっと今日はスルー。)

給食にするのか、お弁当にするのかは自由。給食を注文する場合は、前の週までにオンラインでメニューを見て好きなものを注文する。

子どもたちは教室ではなく、食堂に移動して給食を食べる。そして食べた人から休み時間になるので、早く遊びたい子どもはろくに食べずに遊びに出かけてしまう。

ユウ(うちの小学4年生)の情報によると、

「毎日のこしちゃったフードがマウンテンみたいになってる!」(=「残飯が山のようになっている」の意。)

とのこと。

「みんな、おなかすいてないの?」と聞くと、

「あのね、みんな、ブレイクタイムにスナック食べてるからすいてないんダヨ!」

と返ってきた。こちらの子どもたちは午前中の休み時間に家から持ってきたおやつを食べる習慣があるのだ。いわゆる「10時のおやつ」的なものだ。

幼稚園児ならまだしも、しっかり朝ごはんを食べていれば小学生に「10時のおやつ」は必要ないように思うが、習慣とは恐ろしいもの。親が当然のように子どもに持たせるのである。

りんごやバナナなどならまだいい方で、チョコレートバー、クッキー、ポテトチップスを食べている子どもも多い。

それでは給食の時間になってもおなかが空いていないはずだ。

食べ物を残して捨てることに慣れているので、子どもたちは平気でどこででも食べ物を捨てる。道端に、全く口を付けていないサンドイッチやドーナッツが丸ごと落ちていることも珍しくない。道に落ちているドーナツ

みかんは非常にがっついている犬なので、散歩中「ここは拾い食い天国!」という顔をしている。霧立はいつも目を光らせ、そんなみかんを引きずって歩かねばならない。

この状況、「食べ物は大事にしなさい」と言われて育ってきた日本人としては、驚きを禁じ得ない。

 

日本の学校の給食

霧立の30年前の記憶から比較するのをお許しいただきたいが、日本の給食を通しての「食育」は素晴らしいと思う。

給食当番

班ごとにローテーションでクラス全体に給仕する。列に並んでよそってもらうもらう時に「それはあまり好きじゃないから少なめにして」とか「今日はあんまり食欲ないから、ちょっとでいいよ」などと個別にカスタマイズしてもらえるすごいサービスだ。これで、フードウエストは確実に減る。

また、「ボクはそれ好きだからいっぱい入れて!」という場合もある。当番の子どもは全体に行き渡るように配分することを頭に入れつつ、要望にできうる限り応える努力が求められる。

30人近くの給食を過不足なく給仕するのは、大人でも相当難しい。全体と個人のニーズを満たせるように試行錯誤するのは、マーケティングの基本だ。

「今はこれくらいしか入れてあげられないけど、もし最後に余ったらお代わりに来てね」「これは人気だから、〇〇君だけに沢山あげられないよ!」などと対応していかなければならない。

フードウエストと食料の分配は世界の貧困問題の鍵となっている。日本の小学生は、実は給食係を通して「食料配分」の基本を学んでいるのではないだろうか?

共に食べる

給食の時間になると、グループごとに机をくっつけて食べる。(今でもそうだろうか?)全員の配膳が終わって席に着くまで待って、「いただきます」と言ってみんな一緒に食べる。

自分の仲良しが同じグループにいるとは限らないが、顔を突き合わせて食べるのでグループ内で何かしら会話が生まれてくる。ちょっとした社交スキルが身に付くし、普段遊ばない子と仲良くなるよい機会である。

また、ここでも食物の「交換」や「譲渡」が頻繁に行われる。なかなか家族的な交わりで微笑ましい。

そして全員で「ごちそう様」をするまで、基本的に席に座って待っていなければならない。これも食事が単なる「エネルギー補給」ではなく、「交わりの時間」としての教育的機会になっている。

霧立が小学生だった頃は、全部食べないといつまででも一人席に座らされている子がいた。それは行き過ぎだと思う。その日の体調や子どもの食欲はそれぞれ。食事はみんなで楽しく食べるのが基本。今はそんなひどい指導がないことを願う。

 

さらに進化した日本の給食

霧立が小学生だった30年以上前は、学校給食の食器はアルマイト製(銀色の食器)で先割れスプーンで食べていた。今考えるとかなりガッカリな食卓風景…。まるでみかん(犬)の器みたいだ。

まさしく、「顔を近づけて食べる姿勢は犬みたいで下品」と批判され、食器の材質や形状は時代と共に変わってきた。

そして最近は、なんと陶磁器や箸を使う学校が増えているそうだ。かつては割れない素材、使いまわしのきく先割れスプーンなどの「実用性」が重視されたが、最近では「食育」の観点からも給食が考えられている。

大量の食べ残し問題があった神奈川県大磯町の中学校では、食べ残しを減らすために毎日栄養教諭がクラスに足を運び、その日の食材について説明しているという。

また子どもが苦手とする食材は、初めは分からないように薄切りにしたり、甘い味付けで調理したりして、徐々に慣れさせる「段階方式」を導入しているという。

このような取り組みの結果、数年前まで食べ残しの割合が10%くらいだったのが、4.2%まで減少したそうだ。(くわしくはこちら。)信じられないくらいの努力と工夫である。

イギリスでも食べ残しを減らすために工夫をしている。例えば、ランチは3つのメニューから選べるようになっている。ベジタリアンのメニューも必ずある。

日本では「嫌いなものも食べられるように」指導するのに対して、イギリスでは「選択肢を増やして好きなものを選べるように」対応している。

この違いは、いかにも日本とイギリスの教育理念の違いだなあと思わされる。日本は「弱点克服方式」で、イギリスは「好きなこと、得意なことの尊重方式」なのである。

イギリスの対応が悪いとは決して思わない。特にベジタリアンメニューがあるのは、マイノリティーに対する配慮が感じられて霧立は賛成だ。

しかし、食に関して言えば、色々な種類のものが食べらるようになることは食の楽しみが増えることであり、栄養面でもメリットが大きい。

日本の給食を通しての食育は、栄養教諭という食育のプロフェッショナルの指導のもとにさらに進化していた。

 

まとめ

日本の教育は本当にキメが細かいなあと思う。教師はさぞかし大変だろう。イギリスで同じことをやろうと思っても絶対無理だ。

イギリスでも食べ残しの原因を懸命に探って解決しようと努力しているが、彼らは最大の原因に気づいていない。最大の原因は「欠席児童」や「メニューを親が選んでしまっている」からではない。

それは…

「10時のスナックタイム」に決まってるでしょー!!

これさえ廃止すれば、子どもたちはランチタイムには腹ペコになってもっと食べるはずだ。

日本人にとってはこんなに明白なことなのに、長年午前中の間食をしてきたイギリス人にはそれを止めるという発想がないように見える。習慣とは人を盲目にするほど根強いものである。恐るべし…。

 

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