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本当にあった!「睡眠学習」の効果

子育て&教育

1 4月

睡眠学習

「机にへばりついていたら全然ダメだったのに、休憩から戻ってきたら問題が簡単に解決した」

「一晩寝たら、前日出来なかったことが簡単に出来るようになってた」

という経験をしたことはないだろうか?

わたくし霧立灯には8歳の息子(ユウ)がいるのだが、彼もまさにそう。ピアノとヴァイオリンを習っているのだが、ある一つのことにつまずくとドツボにはまってしまって何十回やっても同じ間違いをする。

「なんで、そこまで出来ないの??」

とこちらは全く理解できない。しかし、翌日になるとウソのようにサラっと弾けるようになっているのである。

一晩寝ると出来るようになっている子ども

「一晩寝たら、克服したぞぉー!!」

「一晩寝ると出来るようになる」というこの不思議。今日は、睡眠が学習にどう影響しているのか?ということについて書いていきたい。

コンテンツ

  • 本当にあった!睡眠学習の効果
    • うさん臭い「睡眠学習」
    • 睡眠学習の科学
    • どれくらい寝ればいいの?
    • まとめ

本当にあった!睡眠学習の効果

うさん臭い「睡眠学習」

「睡眠学習」と聞くと、なんだかうさん臭い感じがするのは私だけだろうか?「これで、あなたも寝ているだけで勉強が出来るようになる!」というセールストークに乗せられて、バカ高いCDを買ったものの、結局まったく効果はなかった…というイメージがあるからだ。

そんなものは霧立も端から信用していない。努力もせずに寝ているだけで勉強が出来るようになる、なんて美味しい話があるはずがない。

しかし、ユウのことを見ていてかなり頻繁に「一晩寝たら出来るようになっていた」という怪奇現象に出くわすので、寝ている間に何かが脳の中で起こっていて、それが学習によい効果を及ぼしていることは疑う余地がないと思うようになった。

睡眠学習の科学

調べてみると、睡眠学習の効果は科学的に広く検証されていた。眠っている間に脳内で起こっていることはかなり複雑だが、ここでは睡眠学習に特化して2つのポイントにしぼってみた。

1つ目は、「記憶の定着」、2つ目は「気分のリセット」というものである。順を追って説明していきたい。

1.記憶の定着

私たちの記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があるのは、よく知られているところだ。

「短期記憶」というのは、例えば銀行の窓口でもらう受付番号のようなものだ。その時限りで覚えているが、翌日には忘れていることがほとんど。

また、脳は、私たちが瞬時に取り出せる情報量よりはるかに多くの情報量を蓄えている。これが「長期記憶」の情報にあたる。

例えば、「ある人の名前を瞬時には思い出せなかったけれど、しばらくしてから思い出した」ということは誰にでもある経験だろう。

また、何十年間も「忘れていた」ことを急に思い出した経験はないだろうか?しかし実際は「忘れていた」のではなく、単に記憶の奥底にしまわれていただけの話である。

睡眠中は、長期記憶に蓄えられているこの膨大なデーターベースにアクセスすることが可能になるという。また、眠ることによって短期記憶が長期記憶としてしっかり「保管される」という。

長期記憶

私たちの長期記憶は、大きな図書館のようだ。睡眠によって、取捨選択された「新刊図書」がデータベースに加えられていく。

2012年にランカスター大学で行われた興味深い実験結果がある。同等の能力の被験者を3つのグループに分け、言語に関するテストを受けさせた。

3つのグループの被験者は、初めに問題を解き、分からなかった問題をそれぞれ違った方法で再挑戦させられた。

  • グループ1:睡眠をとった後に再挑戦。
  • グループ2:休憩時間(寝てはいけない)の後に再挑戦。
  • グループ3:そのまま継続して挑戦。

【実験結果】

  • グループ1が、難しい問題を解くのに成功した割合が最も高かった。
  • 簡単な問題ではグループ間で有意な差は見られなかった。

この実験から、課題が難しいほど睡眠が功を奏すということが証明された。

ピアノやヴァイオリンの演奏というのは、かなり複雑な技術が絡み合っている。音符を見て、それを実際の音に脳内で変換し、筋肉に伝え、適切な指やボーイングでその音を表現する。

新しい難しいパッセージを何度弾いても同じ間違いをする時、ユウは軽いパニックに陥っているように見える。だから普段出来ることすら出来なくなる。

そうすると全てが空回りする。もうこうなったら新しい技術をマスターするどころではなくなる。

それが一晩寝ることで、新しい技術が長期記憶にしっかりしまわれ、他の技術と合わせて総合的に取り出すのが簡単になっているのかもしれない、と思った。

2.ポジティブな気分をリセット

十分な睡眠は、ポジティブな気分を作り出す。そして、問題解決能力は、気分とも深く関係しているという。

簡単な曲を弾くのは、楽しい。しかし、新しい曲の譜読みや、難しいパッセージの部分練習(その部分だけ取り出して、何度も繰り返し練習する方法)はかなり骨が折れる。

特に子どもは、なかなか出来ないとフラストレーションもたまってくる。ましてや、横で親がついて「ダメ出し」したりするとイライラ度も倍増しやすい。

ユウが「ドツボ」にはまるのは、たいがい練習の後半だ。ある個所でつっかえ、やり直しさせられ、また間違えた場合、一気にムードは下降し出す。

危険信号

「これより先、危険ゾーン」

部分練習には、集中力や忍耐力が不可欠だ。しかし、ムードが悪い時、そういったものは全然働かなくなってしまう。

一晩寝ることで気分をリセットし、ポジティブな気持ちでまた練習に向かえるようになるというのは大きいような気がする。

どれくらい寝ればいいの?

昔、名前は忘れたが有名なアメリカ人起業家が、

「前日にどれだけ良質な睡眠をとれたかで、その日一日よい仕事が出来るかが決まる」

と言っていたのを聞いたことがある。その頃、私は毎日かなりの睡眠時間を削って勉強していて、いつも亡霊のように生気がなかったので、この言葉がショッキングだったのを覚えている。

またイギリスで暮らすようになって、人々が夜は早々とベッドに入ることにも驚いた。友人たちは10時半にはベッドに入るという。初めてそれを聞いた時、

ええーっ?!こ、子どもみたい!!

と思ったのだが、この国の子ども(9歳くらいまで)はナント7時半に寝るのが標準なのだ。

それに対して、日本人の睡眠時間は先進国中最下位。経済協力開発機構(CEOD)の調査では、毎年日本と韓国が「最下位争い」をしていて、睡眠時間が他の加盟国と比べてダントツ短い。

下のグラフは、各国の1日の平均睡眠時間を分単位で示したものである。この中で一番睡眠時間が少ないのは、日本人の女性だった。

Statistic: Average minutes per day spent sleeping in OECD countries plus China, India and South Africa by gender, as of 2016 | Statista
日本人が万年睡眠不足なのはよく分かったが、では一体どれくらい寝ることが推奨されているのか?

The Sleep Councilによると、

  • 大人:7~9時間
  • 3~6歳:10~12時間
  • 7~12歳:10~11時間
  • ティーンエージャー:8~9時間

ということだった。

ちなみに日本人の、労働者1人当たり、1時間の成果の成果を示す「生産性」も先進7か国中最下位。あんなに長時間労働しているのに、6時には家に帰ってきて家族と夕食を囲むイギリス人より生産性が低いとは…。

労働時間が長い→睡眠時間が短くなる→生産性が下がる→もっと長時間働かなくてはならない…

という悪循環に陥っているのは明白ではないだろうか?

まとめ

レッスンや勉強、仕事に行き詰まったら、よく寝る!寝ている間に脳が、埋もれていたデータにアクセスし、情報を整理し、モードをリセットしてくれるのだ。

「睡眠学習」の効果はなんと素晴らしい!忙しすぎると、日本人は睡眠時間を削ってでも何とかしてやり遂げようと必死になる。

でも、「急がば回れ」である。日々の努力は怠らず、しかしドツボにはまったらよく寝る。これこそが、睡眠学習の真の効果を体験する秘訣、と言えそうだ。

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