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イギリスのパスタが、何度頼んでもアルデンテに仕上がらない理由。

文化の交差点

9 1月

イギリスに住んでいるイタリア人は、外食でパスタをまず頼まないという。なぜなら、この国で彼らが満足するパスタに出会える確率は、スコットランドで晴天が3日間続く確率と同じくらい低いからだ。

霧立一家も、実はパスタには少々うるさい。夫・マナブは、パスタを粉から作ってしまうほどのこだわりよう。でも、イタリア人と違うのは、それでも外食の時にパスタを懲りずに注文してしまうことだ。

しかし最近ついに、「これじゃあ期待しても無駄だったわけだ…」と悟る体験をした。

コンテンツ

  • 「茹でてとどめを刺す!」がイギリス流
  • 「アルデンテ」をリクエストしてみたら…?
  • どう頼んでも、絶対パスタがアルデンテにならない理由
  • アルデンテは「生茹で」
    • Related posts:

「茹でてとどめを刺す!」がイギリス流

「イギリスのパスタは、どうしてそんなにマズイの?」という人のために、少々説明を。

実はパスタソースは、結構いけるのである。問題は、パスタの茹で具合。パスタが、アルデンテでないのだ。完全に茹ですぎ!

イギリス人は、昔からとにかくなんでも茹で茹でにするのが得意なのだ。野菜などは、「これでもかっ!」と野菜の最後の息の根を止めるがごとく、茹で茹でにする。

「茹でて、茹でて、息の根を止める!」

イギリスの「伝統的な」ブロッコリーの茹で方は、茹でて、茹でて、また茹でて、とうとう穂先の部分がボロボロに崩壊するくらい茹でるのだ。お皿に盛られたブロッコリーの、茎(?)の部分と、穂先の部分が完全に分離しているのを見て、目が点になった経験がある。

小学校に通う息子(ユウ)の給食で出てくるブロッコリーも、やはり茹で茹でだそう。ユウは、穂先と茎が分離したブロッコリーを、

“Winter tree”

つまり、「(落葉した)冬の木」と形容しているほどだ…。

(もちろん、野菜を茹ですぎないイギリス人もいる。しかし「硬めに茹でて歯ごたえを楽しむ」という人はかなり少ない、というのが霧立の印象。)

さて、話をパスタに戻そう。すべてにおいてこんな具合だから、パスタがアルデンテに仕上がるわけがないのである。パスタはいつだって、フニャフニャ。歯ごたえなどあったものではない。

「アルデンテ」をリクエストしてみたら…?

「そうは言っても、リクエストすればアルデンテで出てくるのではないか?」と私たちは考えた。そこで、外食でパスタを頼む度に、注文を取りに来たウエイターにお願いするのである。

「あのう…。パスタをアルデンテにして欲しいんですが。」

しかし、「アルデンテ」という概念がないので、「アルデンテ」と言っても分からないのである。たいがいの店員は’Al dente’という外国語に謎めいた表情になる。そこで、私たちは「アルデンテ」という表現を避けて、別の言い方にした。

「パスタを、茹ですぎにしないでもらえますか?」

そうすると、店員さんはいつもニッコリ笑って、「OK!」「シェフに伝えておきます」という。私たちは、「さあ!今日こそアルデンテのおいしいパスタにありつけるのではないか?!」と期待するのだが…。期待はいつも裏切られ、パスタは茹で茹でのまま。

どう頼んでも、絶対パスタがアルデンテにならない理由

ある時私たちは、「もっと具体的に頼まないとダメなんじゃない?」ということに気が付いた。そこで、先日 イタリアンレストランに行ったとき、こうリクエストしてみた。

「パスタの茹で時間を、通常より2,3分短くしてもらえますか?
茹ですぎのパスタは好きじゃないので」

そうしたら、ウェイターが、なんとこんなことを言ったのである。

なるほど…。でも、それは難しいですねぇ。パスタは、朝一番にその日の分を全部茹でちゃうんですよ。お客さんがたくさん入ってしまうと、いちいち注文のたびに茹でていられませんからねー。

パスタを、朝一番に茹でて置いておく?!

茹で置きにされたパスタは、決してアルデンテにならない
レストランなのに、き、給食レベル…?

霧立家に震撼が走った。注文を受けてから茹でるのではなかったのだ。どうりで何度頼んでも、パスタがアルデンテで出てこないはずだ…。

このウェイターは、英語の発音からイギリス人ではないと分かった。あけっぴろげで正直なお国柄の人だったのだろう。イギリス人なら、おそらく明かさないだろうと思われる「裏事情」を、あっけらかんと客に話してしまったのである。

多分、これまでのイギリス人のウェイターやウェイトレスは、まさか「あらかじめパスタは茹でてストックされている」とは言わずに、「OK!」でかわしていたのだろう。

アルデンテは「生茹で」

一般的なイギリス人にとっては、「茹でる」とは「硬いものを柔らかくする」に他ならないようである。パスタの麺の中心に適度な芯を保っているアルデンテなどは、彼らにとっては「生茹で」でしかないのだ。

実際、以前友達に「パスタのアルデンテが好き」と言ったら、

” ‘Al dente’? Do you mean uncooked pasta?”
(「『アルデンテ』?生茹でのパスタのこと?」)

と聞かれたことがある。

多くのイギリス人にとってアルデンテは「生茹で」であり、それは好ましくない状態なのである。

どうしてもアルデンテパスタが欲しかったら、それなりのレストランに入らないと難しそうだ。先日の「パスタをあらかじめ茹で置きしておく」といったイタリアンレストランは、カジュアルレストランだが、そこまで安くもない。コース料理を注文したわけでもなく、単品のパスタ3人分、デザート2人分、コーヒー2つで£50以上(約8000円)だった。

イギリスのイタリアンレストラン
ここがそのレストラン。建物はなかなか立派。

注文を受けてから、パスタを茹でてくれるレストラン…。霧立家にはちょっと敷居が高そうだが、イギリスでおいしいパスタが食べたい方は、どうぞご参考までに。

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Comments

  1. エラはヴィーガンから程遠し says

    2020-01-10 at 5:42 PM

    世界中を仕事で、休暇で飛び回るうちの義姉。レストランではパスタを頼まないらしいです。アメリカでも。実はイギリスで嫌な思をしたのでしょうか?

    その日の分のパスタを朝のうちに茹でておくって、前代未聞です!生パスタを提供しているところは、そんな手抜きしないのでは。。。?生パスタってほんの1分くらいで茹で上がりますよね?そういうところは敷居が高いのかな?

    茹でて茹でてとどめを刺すイギリス人。どおりでイギリス料理がまずいと言われるわけですね。

    • Akari says

      2020-01-11 at 9:57 PM

      エラはヴィーガンから程遠しさま

      コメントありがとうございます。

      確かに生パスタだったらすぐ茹で上がりますね。
      でも、コストが嵩むからやりたくないのかなあ…と思いました。
      それにイギリス人は、たぶん、あの茹で茹でパスタで満足しているのだと思います。

      イギリス人の料理は、最近はこれでもずっと改善したんですよ。
      私が初めて来た20年以上前は、コーヒーも薄くて、食事も今よりずっとひどかったんです。
      でも、最近はかなり美味しいレストランも結構あるなあと思っています。
      パスタ以外ですが!

      イタリアのレストランは、どこに入っても最高に美味しかったです。
      湯で具合も超アルデンテ!
      ピザも、ほかの国とは別格でした。

      霧立灯

A little about me…

こんにちは。霧立灯(きりたち あかり)です。夫(マナブ)、小学生の息子(ユウ)と愛犬(みかん)とイギリスで暮らしています。家にいるのが好きなので、家を心地よい空間にしたいと思っています。 Read More…

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