
つい先日、霧立家が行ってきたキャンプ。2年前のハイキング中に見つけた秘密の場所だ。
「グランピング」(Glamping)というのはイギリスで始まった、グラマラス(贅沢)なキャンプのこと。通常のキャンプのような装備を必要とせずに、優雅に大自然を満喫できるのが売り。
確かに、キャンプ道具を持っていなかったり、キャンプの経験がない人にとって、大自然を気軽に優雅に楽しむにはグランピングは魅力的だ。日本でも最近人気になってきたらしい。
しかし、グランピングは宿泊施設なので当然ながら事前の予約が必要。つまり、当日大雨になる可能性もある。こうなったら大自然を楽しむどころではない。
また、宿泊料も普通のホテル並みがそれ以上であることが多く、気軽に家族で楽しむ感覚では利用しずらい。
そこで今日は、キャンプ場よりはプライベート感が高く、なおかつラグジュアリーなキャンプの仕方をご紹介したい。名付けて「セルフ・グランピング」だ(←霧立が作った造語)。
グランピングよりも手頃に快適キャンプを楽しむ秘訣
ロケーション
キャンプ場
最近のキャンプ場は、狭い区画で仕切られた無味乾燥な場所が多い。トイレやシャワーが完備され、電源や電子レンジまで提供されているところも珍しくない。
そこまで利便性を求めるなら、なぜわざわざキャンプをしに行くのか霧立にはよく分からない。だったら、家にいるかホテルに泊まるほうがマシだと思うのだが…。
しかし、探せば野趣に富むキャンプ場もある。また、キャンプの醍醐味は大自然の静けさを味わうこと。ピークの混雑時を避けるのも一つの手だ。
野営キャンプ
野営キャンプとは、キャンプ場以外でするキャンプのこと。日本には、私有地と共有地しかなく、法律で野営キャンプは許可されていない。
しかしそれは、「野営キャンプOK!」という場所がないだけで、禁止とも明記されていないということ。つまり明らかに禁止の場所を除けば、グレーゾーンの場所はあるというわけだ。
野営地の探し方については、このサイトが詳しい。
霧立一家が住んでいるスコットランドは、基本的に私有地以外ならどこでキャンプをしてもOK!という、キャンパー天国。そのため、ハイキングに行く時はいつでも「次にキャンプが出来そうないい場所はないか?」という目でいつも自然を見ている。
【野営キャンプに適している場所】
- 車道から近いこと(キャンプ道具を運ぶのは、一番の重労働!)
- 平らで地面が固くないこと
- 木陰があること
- 小川などが近くにあること
- 人目から隠れられる場所があること(なぜかって?だって…野営キャンプですから…ネ?)

先日霧立一家がキャンプした場所。丸橋のたもとに車を寄せて、テントを設営した場所まで荷物を運んだ。
天気予報をチェック!
キャンプにとってお天気は最重要!
どんなに素敵な場所であったとしても、雨の中キャンプをするほどみじめなものはない。実際、先ほどのグランピングのレビューでも「施設もロケーションも最高でしたが、雨で残念でした…」というコメントが結構あった。
しかし、「セルフ・グランピング」には事前の予約が必要ない。天気を見計らってキャンプが出来る。これこそが「セルフ・グランピング」の最大の利点だ!
キャンプシーズンに入ったら、毎週末の天気予報をチェックしまくろう。人間の都合を優先させるのではなく、自然に人間が合わせる。ひたすら根気よく、週末の晴天を待ち望もう。
そして、いつでも出発できるように、キャンプの準備は万全にしておくように!霧立一家は毎年5月に入ると、キャンプ予定地の週末の天気予報を必ずチェックしている。
セルフ・グランピングに欠かせないキャンプ道具
ベッド&寝袋
快適なキャンプに欠かせないのが、機能性の高いベッドと寝袋。薄いマットと寝袋だけでは、快適なキャンプは望めない。
霧立がこれまで色々試してきた中で、一番快適!という結論にたどり着いたのは、
- しっかりした作りのキャンプベッド
- マット
- マミー型でない寝袋

固めのベッドは、しっかりと体を支えてくれるので腰痛にならない。またマット(黄緑色)を敷いているので、固さもいい具合に緩和される。
過去にエアマットも使っていたが、隣りの人が寝がえりを打つたびに振動が伝わるので個人的には、組み立て式のキャンプベッドが好きだ。
ちなみに霧立家が使っているのは、Decathlonのキャンプベッド。
楽天の人気商品はこちら。リクライニングが出来るので、昼間の読書にも最適だ。
しかし、柔らかめのベッドが好きな人にはエアマットもいいかもしれない。また、シングルのエアマットを選べば、隣りの人の寝返りで眠りを妨げられることもないだろう。
キャンプベッド+マット+寝袋のおかげで、寝心地は全く問題とならなくなった!
ダッチオーブン
キャンプだからといって、カップラーメンや缶詰などで食事を済ませてしまうのは、もったいなすぎる!!キャンプの醍醐味の一つは、炭火でじっくり美味しい料理を作ることだからだ。

キャンプでは水は貴重。野菜は家で事前に洗って持っていこう。
その時に大活躍するのが、ダッチオーブン。蓋の上にも炭火を置き上下から加熱出来るので、まさにオーブンのような万能鍋。分厚い真っ黒い鋳物のダッチオーブンは、キャンパーの憧れだ。
霧立家にも10年もののコールマンのダッチオーブンがあるが、これで作る料理は味が違う。歳月とともに風味を増し、ラグジュアリー・キャンプに欠かせない道具となっている。

コールマンのダッチオーブンは作りが本当によい。ちゃんとお手入れして使えば、孫の世代まで使えるのでは?
無水鍋なので、野菜から出る水分で十分調理できる。しかも野菜の栄養を逃すことなく旨味を十分引き出せるのが素晴らしい!
大自然の中で、とびきり美味しい食事を楽しみたいなら絶対持っておきたいアイテム。
「便利だから」という理由でダブルバーナーを使う人は結構いる。しかし、料理は炭火や薪でじっくり調理した方がずっと美味しい。ダッチオーブンを使うなら、なおさらだ。
テーブルクロス、カラトリー、グラス
セルフ・グランピングなら、紙皿や紙コップではなく「ちゃんとした食卓」を整えることにも気をつかいたい。それだけで全然、雰囲気が変わるからだ。

プレートはメラミン樹脂なので割れにくく、最近はおしゃれなデザインのものも多い。グラスも買った時の箱に入れておけばまず割れない。
こちらは、カラーバリエーションも豊富でおしゃれなRiceのメラミンプレート。少々お値段ははるがが、割れないし使い捨てに比べてずっとエコ!シリアルボールと合わせて買うのも良さそう。
シングルバーナー
先ほど、「ダブルバーナーは使うべからず」とお節介を焼いたが、シングルバーナーはおススメだ。さすがにコーヒーやお茶を1杯飲む度に、火起こしをするのは面倒だからだ。
(それに、コーヒーを淹れるお湯を沸かすのに炭火の方が美味しいのかどうかもよく分からない。)

淹れたてのコーヒーを森で飲むのは至福のひと時。もちろんインスタントコーヒーではなく、家で直前に豆から挽いてきたコーヒーだ。
この分離型のシングルバーナーはコンパクトで、ウインドプルーフもついているのでとてもおすすめ。風の強いスコットランドでも火が消えたことはない。
また、お米を炊く時など、大きなお鍋を乗せても安定感が抜群。霧立は一体型バーナーより断然分離型派だ。霧立家が使っているのと、ほぼ同じと思われる商品はこちら。アマゾンの評価も上々だ。
セルフ・グランピングの醍醐味は2日目にある
ラグジュアリーキャンピングを体験するなら、2泊は必要だ。なぜなら、キャンプ1日目は結構忙しいからだ。
現地までの移動、テントの設営、火起こし、クッキング…を一通りすると、よほどキャンプに慣れていない限り大変だ。テントの組み立てや火起こしで手間取って、イライラしてしまうことすらあり得る。
しかし、1日目にカレーやラタトゥイユをたっぷり作っておけば、2日目は夕食の心配も要らない。朝から好きなことをのんびりできる。
ちなみに今回霧立は、朝は一人でジョギングに行き、午後は川で子どもと遊んだり、木陰に置いたリクライニングチェアでまったり読書…という至福の時を過ごした。夕方からは焚火を起こして、前日に作ったラタトゥイユを温めるだけ。
実にのんびりとした贅沢なキャンプだった。それなのに、使ったお金は帰りに街によって食べたアイスクリーム代だけ!ざっと3人で700円。2泊3日で700円ですよ?!
3人家族で2泊もすれば最低でも7万円はかかるグランピングと違って天気の心配もなく、好きなものが食べられて、お財布にも優しいセルフ・グランピング。初期投資はある程度必要だが、キャンプ好きには絶対おすすめだ。
えっ?最後に聞きたいことがあるって?なに?トイレはどうするのかって?
………。
なに、心配することはない。大きなシャベルを持っていきさえすればいいのだ。自分が終わったら、次の人のために穴を掘っておくのはセルフ・グランピングのマナーです。
(完)
くまさんとかコヨーテさんとか遊びに来ませんか、キャンプしてて?私は一度しかキャンプしたこと人生でありません。大学時代の彼氏と彼のぺらぺらの掛け布団をテントに二つ折りにしてしき2人で丸まって寝ました。めっちゃ心地悪かったです。
この辺の人はRVと呼ばれるキャンピングカーでキャンプに行く人が多いようです。
霧立さん家のようなキャンプの仕方素敵です。
エラちゃんねんねさん
なんとイギリスは、クマも、コヨーテも、毒蛇もいないんです!!
楽ですね~。
日本でキャンプするときは、クマが出る場所もあるので、結構夜は神経使いました。
先日ウィンブルドンでしたキャンプは全然優雅じゃなかたんですが、楽しかったです。
霧立灯