大人用のフルサイズのヴァイオリンを買うのは、一生にそう何回もないだろう。なんといってもヴァイオリンは他の楽器に比べて高価だからだ。だからこそ絶対に失敗したくない!
わたくし霧立灯も、「いつかいいヴァイオリンが欲しい」という中学生から持ち続けていた夢を、2018年、ついに実現させた。
何度もエディンバラとロンドンを往復し、5か月間に50丁以上弾いて選びぬいた。その時の経験を記事にまとめてみた。
絶対失敗しないヴァイオリンの選び方【まとめ】
信頼できるお店を見つける!
「絶対失敗しないヴァイオリンの選び方」で一番大事なのは、ずばりコレ。「え、楽器そのものじゃなくて、お店が大事なの?」と不思議に思う人もいるかもしれない。
でも、ホントにこれは大事。信頼できるお店を見つけられたら、あなたの楽器選びがうまくいく確率はぐっと上がる。
霧立は結局、ヴァイオリンを買ったお店から1年後に弓を買い、最近はユウ(9歳児)の3/4のヴァイオリンも買ったが、どれも満足のいく買い物が出来た。
信頼できる楽器店は、
- よい楽器を取り揃えている
- 値段が適正
- 専門知識が豊富でよいアドバイスをくれる
- あなたのニーズを的確に把握してくれる
- 売ることより、顧客の満足を優先する
それにアフターケアが素晴らしい!楽器の購入は買ったら終わりではない。楽器のメインテナンスなどで長い付き合いになる場合も多い。
楽器選びで失敗したくなければ、信頼できるお店を探す。コレ鉄則!
「よいヴァイオリン」ってどんな楽器?

これは、どれもウン百万円するヴァイオリンたちです…。霧立、弾いちゃった!みんな個性的で、素晴らしかった。でも、自分の楽器のほうが好きだったナ。
信頼できるお店が見つかったら、今度は「よいヴァイオリン」を求めていこう。しかし、「よいヴァイオリン」とはどんなヴァイオリンだろう?
高価なヴァイオリンだろうか?それとも、いい音色のヴァイオリンだろうか?でもそれでは漠然としすぎているし、ある人にとっては「いい音色」でも、他の人にとってはそうでない場合もある。
そう、「よいヴァイオリン」には、
- 健康状態や作り、倍音の豊かさ、4弦のバランスなどのように「客観的な要素」と、
- 好きな音色、色、属性などの「主観的な要素」
がある。これを区別して考えることが重要だ。「よいヴァイオリン」については次の記事に詳しいので、興味のある人はぜひどうぞ!
試奏する時のポイント
楽器店で気に入った楽器を絞り込むのに重要なのは、試奏!とにかくいろんな曲を弾いてみよう。
でも、ただ弾けばいいってもんじゃない!やってみれば分かって頂けると思うが、ヴァイオリンの試奏はワインテイスティングのようなもの。考えなしにやっていくと、最後にはもう、何が何だか分からなくなってくるのだ。
効果的に試奏するためのポイントはこちらの記事にまとめてある。
気に入った楽器をお店から借りてこよう!
気に入った楽器が1~2丁に絞り込めたら、楽器店からその楽器を借りてこられるかたずねてみよう。楽器店では店員さんや他のお客さんもいるので、頭を冷やして冷静に決断するのはとても難しいのだ。
借りてこられたら、色々なところで弾いて人にも聞いてもらう。楽器店で試奏していただけでは見えてこなかった楽器の特徴が、かならず見えてくるはず。

色々な場所で弾いてみるのは大事。あ、でも橋ので弾く必要はないかも…。
最後にやっておきたい微調整
買いたい楽器がほとんど決まったら、最後にやっておきたいのが微調整。「このヴァイオリン、かなりいいんだけど、欲を言えば〇〇がちょっと…」という問題点を解決できる可能性があるのだ。
微調整は文字通り「ちょっとした調整」だが、効果は絶大。費用もそこまでかからないのだから、試してみない手はない。
具体的にどんな微調整があるのかについては、この記事にまとめてある。
【番外編】海外でヴァイオリンや弓を買う

「私の足元には、よいヴァイオリンがたくさんありますわよ」
当たり前の話だが、楽器の市場はなにも日本だけではない。「いい楽器は世界中のお金が集まるところにある」と言われているが、それは本当だ。
特にニューヨークとロンドンには、世界中のよい楽器が集まっていると言われている。有名なオークションも、必ずこの2都市で開催されている。
あなたがニューヨークやロンドンに行く機会があるのなら、海外で楽器を買うという選択肢も十分ありだと思う。日本にはあまり出回っていない生産国の素晴らしい楽器に出会える可能性が高いのだ。
しかし、いいことばかりではない。外国で買うことの煩雑さは免れない。メリット・デメリットの両方をよく理解しておくことが大事!
ちなみに、免税(Duty Free)についてだが、新作楽器以外にはそもそも低い税率がかけられている場合もあるので要注意。
しかし、海外に住んでいる人にとってみれば、これはまたとないチャンスだと思う。霧立が買った楽器(ヴァイオリン+弓)は、きっと日本なら600~700万円はするはずだからだ(す、スゴイ…!)。
ヨーロッパは古い楽器の宝庫。買うまではいかなくても、旅行の際に一度楽器店に立ち寄ってみるだけでも価値があると思う。
いかがでしたか?
霧立は自分がヴァイオリンを買う時に、すご~く勉強しました。絶対に失敗したくなかったからです。でも、楽器についての知識はプレーヤーでも持っていたほうがいいと思いました。自分の楽器のどういうところに改善の余地があるのか?ということについて考えられるようになるからです。
また、音についてもすごく敏感になりました。ヴァイオリン選びの旅はとても大変ですが、これを終えると、楽器や音楽についての姿勢が確実に変わります。
みなさんが、「最高の楽器」に出会えることを心から願っています。