【犬が苦手な人へ】ノーリードの犬と遭遇した時の7つの知恵
イギリスは犬とその飼い主にとってはパラダイス。しかし、逆に言えば犬の嫌いな人にとっては「地獄」かもしれない…。
公園を歩いていると、無数の犬がノーリードで我が物顔で走り回っているし、お店の出入り口の真ん前にはリードをしていない大型犬がデーンと座って飼い主を待っている。
ドーベルマンでもロットワイラーでもノーリードで歩いてたりする!日本だったらその時点で通報されそうだ。
しかし犬が嫌いでも、日本のように「つないでください!」とは言えない社会だ。イギリスでは、「犬にはリードなしで歩く権利がある」と思われているかのような空気がある。
だから犬が苦手な人は、公園では「弱者」である。犬を避けて遠回りするしかない。飼い主はそれに気付いても知らん顔のことが多い。
イギリス人はたいがいの場合、マイノリティーに配慮を見せるが、犬の問題に関しては全く無頓着だ。霧立はやはりマイノリティーを配慮すべきと思っているので、そういう時はリードをつけるようにしているが。
さて、犬が苦手な人は犬の行動を分かっていないので、逆に犬を引きつける行動をとってしまっていることが多い。今日は、ノーリードの犬に遭遇した時のサバイバル術をお伝えしたい。
1.逃げない!
これは一番大事。犬は動いているものに興味を持つ。特に犬が近寄ってきた時に走って逃げようものなら、犬はあなたが遊んでくれていると思ってあなたの方に飛んでくる確率は99%!
それに犬はとっても速い。超小型犬のチワワや短足胴長のダックスフントならともかく、ほとんどの犬は人間より早い。オリンピックで金メダルを取ったボルト選手より速い犬はたくさんいる。「走って逃げきれる」とは、間違っても考えないことだ。
犬に近寄ってもらいたくないのなら、絶対に、絶対に走ってはいけない!
2.立ち止まらない
犬が苦手な人は、犬が前から来た時に怖いので立ち止まるか脇によけようとする。実に本能的な反応だ。
しかし、それだけでもあなたは犬の注意を引くことになる。あなただって道を歩いていて、前から来た人があなたに気付いて急に立ち止まったり、わきへよけたら不審に思うはずだ。犬は、「なんだろうこの人?」と興味を持って近づいていく可能性90%。
犬が前から歩いてきたら、歩調もコースも変えずに、何事もなかったかのようにすれ違うのが一番。
*離れた場所で犬を発見したら、コースを変えて犬を迂回するのはOK.あくまでも犬の目の前で急に脇にそれたりすると、無用な注意を引いてしまうということ。
3.追いかけられた時は、すぐに立ち止まる
これは2の「立ち止まらない」と矛盾しているように思うかもしれない。しかし、これはあなたがジョギングなどをしていて、すでに犬に追いかけられてしまった時。
犬は速い動きに反応するので、ジョギングや自転車に乗っている人は追いかけられやすい。追いかけられてしまったら、すぐに立ち止まろう。そうしたら、犬はあなたに対する興味を失うはずだ。
*犬が明らかに遊んで追いかけてきている場合は、この対応でまず大丈夫なはず。イギリスでは滅多にないが、ストリートドックなど友好的でない犬が敵意を持って追いかけてきたときは、止まっただけでは危険。その場合は「7、障害物を置く」で対応。
4.目を合わさない
犬は見知らぬ人からじっと見られるのが好きではない。なぜなら、動物にとってアイコンタクトは、攻撃的なメッセージになりうるからだ。
5.注意をそらす
もし犬があなたのことを追いかけてきて、立ち止まってもなかなか向こうに行ってくれなかった場合は犬の注意をそらすのも一つの手だ。
ペットボトルを持っていたら、出来るだけ遠くに投げてみよう。犬は動くものを追いかけるので、投げたものを取りにその場を離れる可能性がある。
身近になる投げられそうな物なら何でもいいからとりあえず、出来るだけ遠くに投げてみよう。木の枝などは多くの犬が好きなので、木の枝が近くにあったらラッキーだ。
余裕があれば(?)犬にそのものを見せて振るなどして、十分注意を引きつけてから投げると、より効果的!
6.怖がらない
不思議なことだが、犬は犬嫌いな人と犬好きな人を敏感に感じ取る。霧立は大の犬好きなので、見知らぬ人には吠えるという犬ですら霧立にはやけに愛想がいいので、飼い主に驚ろかれることがよくある。
あなたが犬嫌いの場合、あなたが感じている「恐怖」を犬は敏感に嗅ぎ取る。そうするとある一部の犬は「警戒態勢」になる。吠えることすらある。犬嫌いな人はたちまち逃げる→犬に追いかけられる→悲鳴をあげて逃げ回る→犬はますます興奮して追いかける…という最悪のパターンだ。
公園などでノーリードで遊んでいる犬は、たいがい安全なはず。噛みつくような犬は飼い主も放さない。「ノーリードの犬は怖くない犬たちだ!」と思って、恐怖を見せないように普通にやり過ごそう。
7.障害物を置く
もしあなたがバッグパックを持っていたら、あなたと犬の間に静かにそれを置く。自転車に乗って追いかけられていたら、急いで止まって自転車をバリアとして使う。その時に、後ろに壁や木があるとあなたの背後を守れるので、なおよい。
障害物を置くことによって、あなたは「犬と戦う気がない」というメッセージを送ることになる。ある人は、障害物(自転車)を置いたうえで口笛を吹いたら、牙を見せてうなり声をあげていた犬の群れ(!)が、しっぽを振りだしたという。
犬にとっても口笛は、どうやら「戦闘態勢」を解く「和平の音」なのかもしれない。
まとめ
犬が苦手な人がリードをつけていない犬に遭遇したときのポイント。
- 逃げない
- 立ち止まらない
- 追いかけられた時は、すぐに立ち止まる
- 目を合わさない
- 注意をそらす
- 怖がらない
- 障害物を置く
この7つだけでも、犬に興味を持たれたり、追いかけられ、危害を加えられることをかなり防げるはずだ。
また愛犬家も、犬が苦手な人への配慮を持ち、まずは自分の犬の躾を徹底することを忘れてはいけない。一回でも犬とネガティブな経験をしてしまった子供は、一生犬嫌いになってしまう可能性がある。それはとても気の毒で残念なことだ。「うちの子は噛まない」と思っていても、遊びで追いかけられるだけで小さな子にとっては恐怖体験になりうる。
犬は人間の最高の友達だ。犬は本来従順で、友好的。多くの人が犬の素晴らしさを知り、日本がもっと犬に寛容な社会になるかどうかは犬ではなく、飼い主にかかっている。
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