もうすぐバレンタインデー。
日本だと、女性が意中の男性にチョコレートをプレゼントするのが習慣。霧立も小学生の時は盛り上がったなぁ~。
しかし、お国が違えばだいぶ事情も違う。今日はイギリスと日本のバレンタインの違いについて書いてみたい。
花を贈るイギリス男性、チョコを贈る日本の女性
花を贈るイギリス人男性
バレンタインの時期に限らないのだが、イギリス人男性は女性によく花を贈る。花束を持ってストリートを歩いている男性を見かけると、
(あ…この人はこれから大切な人のところに向かうんだな…!)
と、こちらまで幸せな気分になる。
バレンタイン当日はなおさらだ。バラの花束を持って歩いている男性をあちこちで見かける。
ちなみに、バラの色は「赤」だダントツ。一般的に、バラの色や本数によって若干意味が違うそうだ。
【色】
- 赤:燃えるような愛、情熱
- ピンク:友情
- 白:純潔
*ダークレッドは「死」を意味するという。
【本数】
- 1本:愛
- 12本:感謝
- 25本:お祝い
- 50本:無条件の愛
別に恋愛感情がなくても、手土産としてお花を渡すことはイギリスではよくある。相手の好きな色の花をプレゼントするのが一番だと思うが、愛を示すバレンタインのシンボルはやっぱり赤いバラ。
本数だが、たくさんのバラの花束ももちろん嬉しいが、「1本の赤いバラ」というのも結構ロマンチック!なんか、その人の想いがその1本に凝縮しているような気がするのかな…。
とってもシャイなイギリス人!
ところで、赤いバラをバレンタインに贈るのは、相手がすでに付き合っているか結婚しているパートナーであるのが前提。
片思いの時は、普通はいきなり赤いバラは贈らない。というのも、イギリス人は超が付くほどシャイなのである!まだ付き合い始めてない関係の場合、男性は意中の女性にナント匿名でカードを贈るのだ!
匿名のカードで告白してどうなんのよ?!
と霧立は思ってしまうのだが、そこがイギリス人特有の奥ゆかしさなのだ。小学生の男子でもそうなのだ。同じヨーロッパ人でも、「ナンパが日常」のイタリア人には考えられない文化かもしれない。
霧立の友人の娘(10歳)の家には、毎年2月14日になるとポストに匿名のカードが数枚投函されているという。その子は、
「これは一体誰かしら…?!」
とクラスの男の子の顔を思い浮かべながら一日中カードを見てニヤケているらしい。たいがい、筆跡や小さなヒントで送り主は分かるらしいのだが、中には何年間も分からなかったというケースもあるそうだ。
初めは(そんなことやって意味あるのかね?)と思っていたが、最近はそのワクワク感も少しは理解できるようになってきた。誰かが自分に好意があるらしいのだが、それが誰だか分からないって、なんか夢があるじゃないですか!
毎日が、なんだかドキドキする。
インターネットで調べれば、たいがいの事がすぐに分かってしまう時代。
SNSでは、会ったことのない人とでもすぐつながれちゃう。
そんなインスタントな時代だからこそ、身近にいる誰かからの匿名の告白は、人との関係について思いめぐらしちゃう素敵な時間だと思うようになった。
ちなみに、イギリスでは男性から女性にカードを送るのが一般的。女性が男性に告白(?)するのは、うるう年のバレンタインデーだとか。
4年に1回とは、またなんと気が長い…。若い子だったら、その間に好きな人2回くらい変わっていそうだな…。
チョコを贈る日本の女性
小学生編
霧立も小学生の頃、毎年あげていました!でも3年以上、同じ男の子にあげた記憶はない…。スミマセン、移り気です…。
「灯ちゃん、バレンタイン、今年は誰にあげるの?」
「去年はみっちゃんにあげたけど、今年は上村君にあげる~♡」
こんな会話が当たり前だった小学生時代。
息子を持つ母親として、今思うと男の子のほうは気の毒だったなとちょっと同情。移り気な小学生女子ほど勝手なものはない。
あけっぴろげなところも、イギリス人小学生男子と全然違う。
社会人編
チョコをもらえない男子をオモンパカッてか、日本には「義理チョコ」という習慣が広く流布している。
あれは…なんというか、大変ですよねぇ~。お互い。
「義理」っていうのは、「お世話になっているから自分はあげてますよ!」というアピールなしにはあり得ない。だから、「匿名の義理チョコ」なんて絶対にありえない!そんなのお金をドブに捨てているようなものだ。
しかも「義理チョコ」の中でもランクがある。一番安いコンビニチョコから、手が抜けない上司には某高級ベルギーチョコでアピール!まあ、なんとあからさまな…。
残酷なのは小学生女子だけではなかった。
もらった方だって分かってしまう、その「義理度」がさらに悲しい。それでも、お返しはしないといけないし。
「匿名の愛の告白」と「アピール目的の義理チョコ」。
同じバレンタインデーでも、こんなにも人間関係の築き方が違うとは…。
手作りチョコに潜む甘えとフェミニズムの問題
女性から愛を伝える日本のバレンタインとちがって、イギリスでは男性からというのが普通。
いくらフェミニズム(男女同権論)が浸透していても、イギリスでは昔ながらのロマンスは健在だ。恋は男性側から打ち明けられるものであり、今でも結婚のプロポーズは、男性がひざまずいて申し込む。
一方、日本はフェミニズムも浸透していなければ、男性がリードするロマンスもない…(ちょっと最悪じゃない?!)。小学生の頃からチョコを待っているだけの日本の男の子には、そりゃロマンスの心は育たないかも、と霧立は思ってしまう。
バレンタインに手作りチョコを期待しているそこのアナタ!
たまには率先してパートナーに愛を示してみては??日本の女性は尽くすタイプが多いから、結婚すると男性の「お母さん」みたいになりがち。(「母ちゃん」とか言っている人もいるし…。)
でも、わたしたち、「お母さん」じゃないですから~!!
(せやろがいおじさん調。)
逆説的に聞こえるが、フェミニズムは、まず男性が女性を大事にすることからスタートするような気がする。「国際社会に合わせるために男女同権を進めなきゃ…」ではなく、「女性を大事にするからこそ、彼女たちの権利を高めよう」という意識が必要だと思う。
え?霧立のうちはどうなんだって?
マナブ(夫)は、もともと女性を喜ばせるのが上手なタイプでは全然ない。しかしイギリスで8年以上暮らしているので、周りの男性を見習って、記念日にはバラを贈ってくれるなどかなり努力してくれている。
ユウくんは学校でバレンタインの行事ってありますか?うちはキンダーの時から、クラスみんなにバレンタインのカードを作ってきてねと言われ、毎年いっぱいカードやらプレゼントやら抱えて学校から帰ってきます。今年はみんなへのカードはオプショナル。その代わりオープンサークルといういわば道徳みたいなクラスで習った「コンプリメント」を使って、シークレットパルに手紙を書きましょうという宿題がありました。選ばれたこのいいところを褒めて、自分の正体は明かさずヒントだけ与えるというもの。クラスでもバレンタインパーティがありました。
うちの旦那の会社のロビーでは花売りの人が花を売っていたそうです。うちはドーナッツを買ってきてくれました。
柴犬エラさま
いつもコメントありがとうございます!!
ユウの学校ではバレンタインデー当日は特に何もなかったそうです。
キンダーの頃と違って、大きくなった今はオプショナルでカードを送るというのは面白いですね。
アメリカでは、バレンタインのカード、普通は差出人の名前書きますか?
シークレットって、日本の文化ではあまりないですよね。
「のし」には、自分の名前を表書きの中央にどーんと書いたりしますよね。
お葬式でも、仏式だとお花よりもお花を出した人の名前が目立っていたり…。
すごい文化が違うなーと思います。
会社のロビーで花売ってくれるの、いいですね!
うちは、帰りがけにスーパーに寄ったら、もう赤いバラが売り切れだったらしく、オレンジ色のヨレヨレのバラを今年は買ってきてくれました…。
あ、でもあとマカロン買ってきてくれました!
霧立灯