わたくし霧立灯は、軽井沢と八ヶ岳両方に住んだことがある。こういう場所に住んでいると時々「毎日リゾート気分でいいね~」などと言われるのだが、とんでもない!別に毎日地味~に仕事や子育てをしているだけで、食べ歩きも買い物も滅多に行かない。実際、お店などは観光客の方が詳しいこともあるくらいだ。
しかし、住んでいるからこそ分かることもたくさんある。先回は、都心からのアクセス編だったので、今回は気候の比較をしてみたい。
夏は最高、冬は極寒の軽井沢

軽井沢の夏は最高だ。
町全体が標高が1000mほどある高原に広がっているため、どこに行っても涼しい。特に森の中は、真夏でもひんやりする。私は、真夏でも午後2時頃散歩していたが、これは都会ではあり得ないことだ。
基本的にクーラーはない家がほとんどだが、8月の盛夏の頃、最近では1週間ほどは30℃近くなることもある。さすがにこれは暑いのだが、まあ1週間ほどの我慢。また朝晩はかなり涼しくなるので、寝苦しさとは無縁である。
しかし極上の夏とは反対に、軽井沢の冬はとても寒い。札幌並みに-10℃くらいまで下がる。まるで冷凍庫の中にいるようだ。極寒の中、犬の散歩をしていると、「寒い」というより、肌が「痛い」と感じる。
「今日は暖かいな~」
と思って温度計を見たら、-4℃だった、ということがあったほど。
また、1月~3月にかけてはだいたい毎日雪がさらさらと舞う。たいして積もらないのだが、それでも30㎝ほど積もる雪は珍しくなく、そんな日は雪かきをしなければならない。大きな道路は町の除雪車がきてくれるが、森の中の私道が長い場合は結構大変だ。
しかし、雪が積もってしん…と静まり返った森は、とても美しいのだ。
車は、四駆やAWD+冬タイヤが必須なので、お忘れなく!
軽井沢の気候で少し残念なのは、湿度が高いということ。旧軽井沢の古い邸宅の庭に苔がむしている様子は美しいのだが、それは湿度が高いという証し。
クローゼットに革製のカバンやブーツをしまい込んでいる方は、カビだらけになるのでご注意を!
日照時間なら断トツの八ヶ岳
では、対する八ヶ岳はどうだろう?
八ヶ岳は、長野県と山梨県にまたがっているのだが、霧立が住んでいるのは南八ヶ岳(山梨県北杜市)。
八ヶ岳の夏は、標高の高い所に住んでいる分には快適だが、スーパーなどのある「下界」(地元民は本当にこう呼ぶ。)は無茶苦茶暑い!というのも、標高が高ければ軽井沢並みの快適さなのだが、町全体が高原である軽井沢と違って、北杜市内の標高にかなりのバラつきがあるのだ。
霧立家が住んでいるのは、標高1200mほどの森の中。クーラー不要のいわゆる「避暑地」なのだが、日用品の買い出しに出る長坂の標高は700mほど。また、「下界」には森がないので、夏の暑さは30℃を余裕で超える。
インターを降りて東京と変わらない暑さにビックリする人も多いのだ(ちなみに霧立家の周りは、だいたい「下界」マイナス5℃)。
買い出しや、子供の学校の送り迎えで毎日暑~い「下界」に下りていかなくてはならないのは、「どこへ行っても涼しい軽井沢」と比べるとマイナスポイント。
しかし、冬は軽井沢ほど極寒ではない。一番寒い時でもー5℃くらいだ。また、雪もほどんど降らない。あまりに降らないので、少々情趣に欠けると思ってしまうほど、雪は降らない。

というのも、北杜市は関東甲信越地方の中で一番日射量が多いので、お天気が良い日が多く、雨や雪があまり降らないのだ。
大概の人は、この天気の良さを恩恵と感じるが、霧立家は音楽一家でもあるので、冬の乾燥の酷さには悲鳴をあげている。ピアノやヴァイオリンといった楽器は、湿度にも弱いが乾燥も大敵なのである。そのため、冬は湿度計をチェックして、加湿器を1日中(寝る時以外)オンにしておかねばならない。
まとめ
寒さについては、軽井沢にしても八ヶ岳にしても、二重窓で断熱のしっかりした家で薪ストーブを焚くのであれば、むしろ都会よりずっと快適だ。(関東地方の家々は、なぜあんなに寒いのだろう?)
「どこにいくにも涼しいのがいい!」「雪が好き」という人は軽井沢向き。
「お天気の良い日が多く、湿度はキライ」「雪は少ない方がいい」「多少買い物で暑い思いをしても平気」という人は八ヶ岳向き。
番外編
軽井沢の中でも、追分は標高が1000mを切るエリアがある。そこは、盛夏の頃かなり暑くなるようだ。また、近年では温暖化のせいで以前より気温が上がってきたために、「ついにクーラーを入れた」という話もちらほら聞く。
また、そこまで気温が上がってきているエリアでは、ゴキブリも出現するようになってきたようだ!ゴキブリが苦手な人は、軽井沢にしろ八ヶ岳にしろ、標高のある程度高い涼しいところを選んだ方がいいと思う!