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帰国のタイミングで変わる、帰国子女の壁

子育て&教育· 文化の交差点

24 3月
帰国子女の壁

長年の海外生活を終えて日本へ帰国するのは、大人でも結構身構えるのではないだろうか?外国の文化にどっぷり浸かってしまうと、モノの見方や時間の感覚、人との距離感などがかなり変わってくるからだ。

しかし、人格の土台を形成している時期にある子どもにとっては、さらに大きな試練である。小さければそこまで問題はないとされているが、小学校の高学年ともなると話は変わってくる。

霧立家はイギリスのスコットランドで7年暮らし、今、ちょうど1年がたったところだ。息子は10歳(4年生)。初めて日本で学校に通ったこの1年間は、本当に大変だった。

コンテンツ

  • 適応出来るギリギリのタイミング
  • 帰国子女の最大の壁は「日本語」ではない
  • 最大の壁は、日本の学校文化
  • 10歳以降で同化するのは難しい
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適応出来るギリギリのタイミング

子どもがスムースに帰国出来るのは、おそらく幼稚園までだと思う。なぜなら、幼稚園レベルだと勉強もまだ始まっていないし、規律正しさもそこまで求められないからだ。言葉の面でも、この時期から本格的に発達していくので、割合とすぐに周囲の子どもと同等の日本語力に追いつく。

小学校低学年はどうだろうか?国語(漢字・読み書き)は遅れているだろう。日本語補習校に行っていたとしても、週に1日ではとうてい足りない。しかし、まだそこまで進んでいないので1、2年もすれば十分にキャッチアップ出来るはず。

おそらく、小学3年生までなら、そこまで苦労せずとも日本に適応できるのではないかと思う。

名門開成中学・高校の柳澤幸雄校長によると、「人間としての基本的な形」は10歳頃までに形成されるそうだ。それは、総合的な生活力(=「生きる力」)のことだという。

つまり、10歳までずっと海外で過ごした場合、その国の文化の中での「生きる力」を形成することになる。その国での友達文化、学校文化や社会の中で、うまく立ち振る舞う力を身につけるということだ。

しかし、いきなりそこからもぎ取られ、まったく違う文化に放り込まれたら、それまで身につけてきた「生きる力」が通用しないという事態に陥るわけだ。我が家のユウが直面したのも、まさにそういった問題だった。

帰国子女の最大の壁は「日本語」ではない

ユウは、スコットランドで日本語補習校に通っていなかった。そのあたりの様子は他の記事に書いてある。

・漢字が大の苦手な我が子が「さかもと式」でスラスラ覚えられるようになった!
・バイリンガルの高い壁。海外で7年子育てした我が家の例

そんなわけで、帰国当初(小4)はほぼ漢字が出来ない状況だった。音読スキルも読めない漢字だらけなのはもちろんのこと、どこが文節なのか分からないので、小学1年生程度。「わたしは…」の「は」を「ハ」とそのまま発音するのはデフォルト。

しかし、結論から言ってしまえば1年経った今、読み書きは驚異的なスピードで上達した。漢字テストも必ず平均点以上を取ってくるし、教科書の音読もスラスラ読める。イギリスにいた時の悩みはなんだったのだろう、というほどあっさり語学の壁は超えてくれた。発音はちょっと不自然だし、語彙はまだまだ少ないが、あと1,2年もすれば完璧になるだろう。

最大の壁は、日本の学校文化

日本の小学校

日本語力より大きな壁となったのは、日本の学校文化である。

これは、転入先の学校にもよると思うが、霧立家が引っ越してきたのは八ヶ岳。田舎の公立小学校という選択肢しかなかった。移住してきた家族もチラホラいるが、海外にルーツを持つ子どもはいない。そのため、かなり「ザ・土着」な学校文化に入り込み、カルチャーギャップを目の当たりにすることとなる。

まず、いい加減でゆったりとしたスコットランド文化が骨の髄までしみ込んでいたユウにとって、日本の学校は、

「Jail(「刑務所」)」

として映ったようだ。

給食の準備も帰りの支度の準備も、担任によってストップウォッチで時間を計られる。掃除中は「無言清掃」という訳の分からぬ規則によって、私語は厳禁。コロナということもあるが、給食も前を向いて一人ひとり無言のうちに食べる。

ユウはスコットランドの学校では、友達と一緒に校長に対していたずらばかりしていたらしいが、日本の学校ではそんな大それたことを画策する輩は一人もいないそうだ。先生の言うことを聞くのは当たり前の世界(都会の学級崩壊しているクラスとはかなり状況が違う)。

また、日本の学校は休みが圧倒的に少ないのに、宿題が圧倒的に多い。長期休み中ですら宿題が出たり、休み中の過ごし方についてあれこれ言われるので、学校の存在を忘れて伸び伸び休暇を過ごすなど出来ない仕組みになっている。

日本の学校は、何かと子どもを管理したがるようだ。

あとは、子どもたちが「教師の求める子ども」の型に自分をはめ込もうと一生懸命になっているのが、ユウにはついていけないらしい(前述の「無言清掃」も子どもたちが自分で決めたルール)。宿題が出るのはまだいいとして、宿題の取り組み方、ノートの書き方、感想の書き方、そして常に「次はもっと頑張りたいと思います」で締めくくられる反省…。

子ども一人一人の心の声が聞こえてこない。怒ったり、教師と違う意見を持ったり、そういう人間だったら当たり前の感情が見えてこないという。だから、ユウは自分のそういう感情を押し殺さなければならず、それがとても不自由に感じていたようだ。

子ども
喜怒哀楽を自由に表現していたスコットランドの子どもたち

相当ストレスを溜めていて、家で突然それが爆発することもあった。そんなことは以前はなかったので、私たちも戸惑った。

10歳以降で同化するのは難しい

子どもにもよるから一概には言えないが、10歳以降で帰国した場合、日本の文化に完全に同化するのは難しいと思う。また、これには親の姿勢もかなり関係してくる。我が家の場合、私たちも型にはまった日本の学校文化に馴染めていない。これは、もうどうしようもない。

一時期ホームスクーリングも考えた。しかし、日本語力の驚異的な伸びはホームスクーリングでは実現できなかったものだし、何より日本ではまだホームスクールが普及していないので同年代の子どもたちと遊ぶことが出来なくなってしまうという問題があった。

編入するのならば、ある程度都会の帰国生に慣れている学校の方がスムースなのは確かだろう。インターナショナルスクールは、経済的な問題がなければ一番ラクかもしれないが、日本語力はあまりつかないと思う。また、最近はインターでなくとも帰国生を受け、もっと質の高い教育を提供している学校も増えてきているので、インターの魅力は一昔前に比べてずいぶん薄れてきていると個人的には思っている。

ちなみに、そういう帰国生を受け入れる中学校は、「帰国後3年以内」という受験資格を設けているところが多い。そういった意味で、「10歳帰国」は、本当にギリギリな選択なのかもしれない。

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